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秋刀魚の味 

2017年11月13日 ナビトモブログ記事
テーマ:ドラマ

映画ファンの皆さん、今晩は〜!

今日、もう一本の映画紹介は名画「秋刀魚の味」。
BS12で2017年11月13日(月)19:00〜放送。
「ひまわり」の前に、これも観て下さい。

小津監督はこの作品を発表した1962年(昭和37年)の
翌年の1963年(昭和38年)12月12日、
60歳の誕生日に亡くなったため、
この作品が監督の遺作となりました。

”秋刀魚”と言えば、
佐藤春夫の「秋刀魚の歌」を思い出します。
”あわれ秋風よ、情けあらば伝えてよ、
――男ありて、ひとり秋刀魚を食らいて涙を流す。
 (中略) さんま、さんま、さんま苦いかしょっぱいか”。
本作はこの詩のイメージ通りの映画でした。

キャッチコピーは
”老人の孤独を浮き彫りにした、小津監督の遺作”。

平山周平(笠智衆)の事務所に同級生だった
河合(中村伸郎)が訪ねて来て、
平山の娘路子(岩下志麻)の縁談話を持ってくる。

だが、平山は妻亡き後、
路子に家事一切を任せているため、
なかなか結婚させる気になれない。
まだ早いと気乗りしない返事をする。

周平は娘の路子と次男和夫(三上真一郎)の3人暮らしで
長男の幸一(佐田啓二)は妻秋子(岡田茉莉子)と
共に団地住まいをしていた。

そんな中、周平達は恩師の漢文教師だった、
通称ひょうたん先生(東野英治郎)へ記念品代を贈る。

ひょうたん先生はお礼にと河合等を料理屋へ誘う。
ひょうたん先生は
”あんたは幸せだ、私は寂しい、
娘を便利に使って結局嫁に行きそびれ”とこぼす。
それを聞き河合は
”お前もひょうたんになるぞ。路子を早く嫁にやれ”と忠告する。

小津映画独特のローアングルから撮影と、
画面中央の人物の視線は真っすぐ、観客を見て
話す言葉は優しいですね。
例えば、嫁ぐことになった路子の花嫁姿に周平は
”うーん、綺麗だ。しっかりおやり、幸せにな”と言葉をかける。
”女の子はつまらんな。育て甲斐がない。
結局人生は一人ぼっちだ。
でも、ひょうたんにならないで済んだ”とつぶやく。
そしてひとりで飲みながら軍艦マーチを聴く周平。

”しっかりおやり、幸せにな”のしみじみとした言葉に
年老いた周平の姿は自分が重なり、泣けますね。
家族と育ち、家族を持って、ん〜、最後は独りか…。
金持ちも貧乏人も同じように迎える、これが人生だ!

蛇足。
”秋刀魚の味”で身は勿論、美味しいですけど
はらわたのあの独特の苦みも味わい難い旨さですね。
秋刀魚を食べる時はいつも、この映画を思い出します。

と、言っても秋刀魚の不漁で、今は高級な魚になり、
庶民の魚とは言えなくなりました。
これも時代の流れでしょう、



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今晩は〜!

yinanさん

秋桜さん、

本当に名作です。
娘を嫁に出す、親の気持ちと同時に、
私の関心は当時の生活様式です。

小津映画独特のローアングルから撮影した、
昔の住まいは、子供の頃を思い出し、懐かしいです。
ゴルフがサラリーマンに浸透し、炊飯器、掃除機、洗濯機が
当時の三種の神器だったのですね。

ご主人があの苦い内臓が好きだと言うことは、
想像するに、多分、お酒も好きだったのでは?


qqqqqqさん、

そうですね、題名が何で「秋刀魚の味」なんでしょうね。
「秋刀魚」は映画の中に登場していないので
象徴的な意味があるのではと、考えたところ
佐藤春夫の「秋刀魚の歌」に、主人公の心情が
吐露されているのではと思いました。

”さんま、さんま、
 さんま苦いか塩つぱいか。”と、
平山の心は、娘を嫁に出し、この感情が残ったのではと
想像しています。

2017/11/14 18:38:10

秋刀魚の味

qqqqqqさん

民間放送では、名画がブッタ切りで少々不満でしたが、懐かしい俳優の顔が見られ、笠智衆の気持ちも少しはわかるような気持ちをまた持てました。

しかし、なぜ「秋刀魚の味」と言う題なのでしょうね。サンマの腸を食べた時の感じかなぁ。骨と身がパラっと外れた時のあの味なのかなぁ。焼く時の煙と脂の匂いなのかなぁ。

2017/11/13 21:47:06

サンマの味

秋桜さん


名作ですね。
何べん観ても飽きないです。

秋刀魚を食べる時は夫の事を思い出します。
あの苦みが好物でした。

2017/11/13 18:34:03

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