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「金色の胡麻」 

2016年09月19日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 最近、俳句作りがとみに盛んになってきているという話を聞く。それは、俳人、津軽わさおとしても、嬉しい限りである。

 そんな中、全国の俳句作りのサイトで最も熱気に包まれているのは、「俳句ポスト365」であろう。「俳句ポスト365」は、愛媛県の松山市が運営する俳句の投稿サイトだ。

 「俳句ポスト365」では、入選が「天、地、人、並」に分かれる。入選の「天、地、人、並」の内訳は、各回、天の俳句1句、地の俳句9句のほか、大体、人選の俳句200句、並選の俳句300句だ。

 人選と並選の入選句といえども、全体3,000句程度のたった17%にすぎない。

 天・地の俳句になると、全体3,000句の中で10句だ。これは、至難中の至難である。津軽を拠点とする俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による天・地の俳句への挑戦は、これまで25回を数えるが、まだ天・地の俳句に入ったことはない。


 直近の「俳句ポスト365」の第153回 2016年8月4日週の兼題は、「胡麻」である。兼題の説明に曰く。

胡麻(秋の季語)「ごま」。ゴマ科の一年生作物。晩夏に花を咲かせた後、9月頃に実が熟し、やがてはじけて中の種子を飛ばす。食用には実がはじける前に刈り採り、束ねて干してから、樽の内側などで叩いてはじけ出た種子を採る。

 兼題「胡麻」に係る天選1句と地選の10句を以下に掲げる。

 胡麻爆ぜて晴天続く二十日間   天選   木好    

 
 庭先の胡麻はじけたり風は青  地選  be   

 胡麻はぜておどける程に軽き風   地選  時雨   

  
 袋背負へば打ちたての胡麻の熱   地選   樫の木     

 すり鉢を初めは胡麻の逃げ回る   地選   妹のりこ
    
 擂り始むる胡麻の一粒頬撃ちぬ   地選   このはる紗耶        

 社説閉づ中々噛めぬ胡麻だこと   地選  牟礼あおい     

 胡麻は実に大黒さんのきれい好き   地選  直木 葉子      

 肉食を断ち金色の胡麻を摂る    地選   ジャンク洞      

 星の降り胡麻畑熟れ激戦地   地選  土井探花

 胡麻爆ぜて王土は一夜にてほろぶ    地選   とおと  

    
 そして、以下に掲げるのは、俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による並選5句である。並選5句だが、俳句集団結成後12か月弱の初心者集団としては、健闘である。

 人生の過ぎ去る記憶胡麻の粒   並選  津軽わさお  

 歯に胡麻を付けて真顔の社長かな   並選  津軽ちゃう 

 経典に付き随いて胡麻来る    並選  津軽まつ   

 赤飯の胡麻に塩なき津軽かな   並選  篠田ピンク  

 大仏の見遣る願掛け胡麻の数   並選  野々原ラピ

 
 以上のように、天・地の俳句と人選・並選の俳句を並べてみると、違いがある。
 

 どこが違うのか。天・地の俳句は、着眼点が独特であるし、表現の仕方がいい。それによって、読者が感じるなるほど感と味わいが深い。

 だから、いい俳句を作るポイントは、できるだけ独特な着眼点で、できるだけいい表現で、できるだけ読者のなるほど感と味わいを深めることにある。

 「俳句ポスト365」の選者にして、今をときめく俳人、夏井いつき先生のお使いになる表現をお借りすれば、天・地の俳句は、「発想のオリジナリティと描写のリアリティ」に優れ、「上質な詩になっている」、ということであろう。

 付言するに、天・地の俳句は、おしなべて俳句を作る際の季語との距離間が近いようだ。
 



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