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独りディナー
ポーランドの古い宿
2016年09月01日
テーマ:旅
昨年の今頃、一週間ほどポーランドの古都クラクフに滞在した。
事情があって、直前に行くことにしたので、困ったのはホテル探しであった。
会議が開催されるホテルに泊まるのが最上なのだが、既に会議に出席する人達が予約していて空き室はなく、毎日ネットでキャンセルをチェックしてみたけれど、直前に一週間分の部屋が空くはずも無かった。
結局やむを得ず、そこから最も近い、ペンションの様なところに泊まった。
今は、何処に行っても便利な米国風ホテルが多いけれど、其処は昔ながらの建物で、民宿のような体裁であった。
古い建物は、中庭に向かって窓が開き、向かいの建物の住人達の様子を眺めていると、退屈しなかった。
まあ、あちらには迷惑だっただろうと、今になれば思うけれど・・。
基本的に、その旅は主人のお供だったので、私は四六時中暇である。
そのときの旅行記は、帰宅してから昨年のブログに書いたけれど、今よく思い出すのは、その宿のことである。
朝食は頼めば出してくれたけれど、部屋にはキッチンが付いていたので、朝はゆっくりしたいという主人の意向で自炊にした。
着いた日、近くにあったミニスーパーの様なところで、まずインスタントコーヒーの小瓶とミルクを買った。
翌日宿で教えてくれたスーパーマーケットは、クラクフ駅に隣接する、できたばかりの大型ショッピングセンターで、異国のスーパーマーケット巡りの好きな私は、結局滞在中3回くらいそこへ行った。
見知らぬ食材が沢山あってみているだけでも楽しいし、色々なパンは、どれも美味しそうだった。
前にポーランドに来た際、知人が食べさせてくれた、細いソフトサラミのソーセージが又食べられるのだ、というのも想定外で嬉しかった。
選ぶのに困るほど、その種類は沢山あったけれど、そのパックには英語の説明も書かれていたので、まあ思い通りの品をゲット。
パンにつけるバターも欲しかったけれど、並んでいるのは大きな塊ばかりだったので、諦めてクリームチーズの小さなパッケージを数種類買ったが、これも毎朝選んで食べるのは楽しかった。
ヨーロッパを旅行をしていて、私は町をぶらつきながらパン屋さんを見つけると、パンを一個買う。
大体、店内にはソーセージなども売られているので、それをスライスして貰ってパンにはさみ、公園のベンチ等で、一人で食べる。
これは、一人歩きの醍醐味である。
ホテルの朝食バイキングも好きだけれど、この学生時代の様な質素な公園ランチが、なんとも言えない。
つまり、それ程にもパンとソーセージが美味しいから。
このときは、毎日が学生時代のような朝食で、何となくわくわくしたし、泊まっていた宿が又、40年前のウィーンを彷彿させるような建物なのだ。
只、主人と私は毎日行動を別にするので、鍵は二個必要なのに、一個しか用意していないと言われたのはちょっと困った。
勿論、仕事の途中で宿に戻る可能性のある主人が、鍵を持つ事にした。
言ってくれれば、いつでも開けてあげますよ、と受付の人は親切そうに言ってくれたけれど。
なるべく私は、主人が仕事に出かける、朝9時前に一緒に部屋を出る様にしていたけれど、特に用事のない者にとって、毎日9時前からの町歩きは、やはりちょっと早すぎる。
ある日、朝はゆっくり過ごす事にして、外出する際に向かいの会議場があるホテルへ行き、主人に鍵を渡したことがあった。
さんざん町中を歩き回り、お土産さんも覗き、くたびれて宿に戻ったが、生憎その日はまだ主人が戻っていなかった。
仕方なく、受付のお姉さんに部屋の鍵を開けて貰って、暫く昼寝をしていたら、ドアの鍵を開ける音が聞こえ、更に主人の「サンキュー」という声まで聞こえた。
「どうしたの?」と訊ねると、
「朝、君が持ってきた鍵だよ」と、主人は私に見慣れた鍵を差し出した。
何とそれは、自宅の鍵だったのだ。
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失敗談は、自分で語ってもねぇ・・
澪さん、コメントありがとうございました。
私の思い出は、旅が多いですね。
日常が単調だからでしょう。
その日常の中で、些細なことから追憶にふけったりします。
ねえ、澪さんの絵文字って、専用のアプリがあるの?
ロングトレイルを見て、何だか英語の世界が懐かしくなりました。
もう使うことも無いだろうし、今は勉強もしていませんが、あの主人公二人のやりとりは、素敵でした。
2016/09/01 19:44:14
??? (⌒▽⌒)アハハ!
オチありき・・・でしたか〜
真剣に読んじゃいましたヨ!
寡黙で穏やかな表情のご主人とのやり取り・・・
そして「ん?」ってお顔のシシーさん!
やはり貴女は妖精ネ!
2016/09/01 12:45:16
そろそろ、ぶらつきたい季節です
師匠、コメントありがとうございます。
鍵ネタで思い出したエピソードです・・。
師匠は、安宿推進派ですよね。
私は、時によってアメリカンの、便利で清潔な宿も好きです。
只、安宿はまず場所に風情がありますね。
おっしゃる通り、裏町の面白さ。
まあ、女性にとって時には避けたい場所でもあったりしますが。
異国の地で、道に迷うのも好きです。
所詮歩きの範囲ですし、ヨーロッパの地図は実に解りやすいので。
拠点の住所さえ覚えていれば、後は歩き通すだけですし。
しかも時折、道を訊ねられるのですよ。。
2016/09/01 10:41:43
旧東欧の国
ウィールマンさん、コメントありがとうございました。
さすがアメリカですね。
ポーランドのソーセージは本当に美味しかったです。
以前に、友人の奥さんが「そんなに気に入ったんなら、日本に持って帰れば?」と言って、こっそりカバンに詰め込んで帰った事もあります。
そう、とってもスパイシーで・・。
鍵を一個しか渡さないホテルもあるけれど、普通そんなところは、外出時に受付で預かるでしょ。
旧東欧の国は、やはり常識がちょっと違いますね。
気楽な旅行者には面白い経験ですが、仕事をする人達は、把握するのに大変でしょうね。
2016/09/01 10:30:37
安宿志向
異国の風物を伝え、とても読みやすい文になっております。
オチがいいです。
もしかしたら、先に「オチありき」で書かれた文かとも思いました。
道理で「おちついた文」になっているわけです。
外国は知らず、国内では安宿専門の私です。
民宿大好きです。
そこに「人」がいて、気脈が相通じるからでしょう。
ホテルマンだと、そうは行きませんから。
安宿好みは、裏町好みでもあります。
その町の素顔が見え、それが旅の楽しみの一つでもあります。
2016/09/01 08:56:45
シーシーマニアさん
ポーランドのソーセージ”polishi sausage"あれはおいしいんですね。
多少スパイスが効いていて。こちらでもよく食べます。
今うちの冷蔵庫にも、古くなったのが1本あるようで。
それとさすがポーランド。
どのカギも一緒なんて、これはポーリッシュのやりそうなことみたいで、、、、
2016/09/01 08:53:59