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「長きもの垂れて月下の」 

2016年08月31日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 俳句集団「宇宙(そら)」は、2015年9月29日、津軽の地に誕生した。

 今のネット社会を踏まえ、俳句作りの研鑽、活躍の場は、専ら「俳句ポスト365」への投稿による。

 「俳句ポスト365」は、愛媛県の松山市が運営する俳句の投稿サイトである。その選者は、TBSで木曜日放送のプレバトでお馴染みの、当代超一流の俳人、夏井いつき先生だ。

 日本全国広しと言えども、俳句作りの学びの場として、「俳句ポスト365」→夏井いつき先生→プレバト→「俳句ポスト365」→夏井いつき先生→プレバトといった、言わば循環学校に勝るものはない。

 津軽わさおのこれまでの人生による経験則が、そう言わしめる。だから、俳句集団「宇宙(そら)」は、「俳句ポスト365」への投稿によって、日本全国を視野に入れつつ、挑戦しているつもりである。


  「俳句ポスト365」においては、各回の月曜日から金曜日までのすべてが勉強になる。そのうちでも、とりわけ金曜日発表の天の俳句1句、地の俳句9句及び夏井いつき先生の講評が大変重要だ。その中から、自分の俳句作りとの関連で、何を学ぶか。

 「俳句ポスト365」の第151回 2016年7月7日週の兼題は、「鵙の贄(もずのにえ)」である。兼題の説明に曰く。

鵙の贄(秋の季語)「もずのにえ」。肉食の小鳥である鵙が、その習性として、捕らえた虫や、蛙、蜥蜴などの小動物を木の枝などに刺しておいたもの

 津軽わさおは、今回の「鵙の贄」で、俳句の作り方における「具象と抽象」を学んだ。


 何事も勉強の意味で、地の俳句9句中の1句及び選者の夏井いつき先生の講評を以下に掲げる。

 長きもの垂れて月下の鵙の贄   地選   比々き   

 実に印象的な光景です。「長きもの垂れて」は具象と抽象のはざまにある言葉ですが、後半「月下の鵙の贄」によって、みるみるうちに具象へと焦点を合わせてくる。実にニクイ展開です。

  「月下の鵙の贄」は、暗いシルエットとして読み手の眼前にあり、月に冷えているかのような虚の感触を読み手に与えます。これも天に推したかった作品の一つです。


 以上に関する津軽わさおの勉強したところを以下に掲げる。

 掲句は、「鵙の贄」の贄そのものだけを描写するのではなく、「鵙の贄」が置かれている周囲の場を含めて詠み込んでいる句である。

 夏井いつき先生によれば、「長きもの垂れて」は具象と抽象のはざまにある言葉だとのことであるが、読み手の津軽わさおは、文字通り「長きもの垂れて」いると受け止め、次に、どういう「長きもの垂れて」いるの?、何が垂れているの?と考える。

 と、次の瞬間、「月下の」と来る。エッ、月下なの。ということは、夜で、月が照っている。

 となれば、月に照らされて「垂れて」いる「長きもの」。それって、何? この時点で、なんか読み手の気持ちは、じゃわめぐ。「じゃわめぐ」とは、津軽弁で、血が騒ぐ、ぞくぞくする、という意味である。

 そして、次の瞬間、「鵙の贄」と来る。エッ、鵙の贄で、「垂れて」いる「長きもの」なの。となれば、蛇が、枝に串刺しにされてぶら下がっている。エッ、エエッ、エエッ。

 しかも、それが月下だよ。月下だと、見えはするが、よくは見えない。そんな状況下、「長きもの垂れて」おり、それは、枝に串刺しにされてぶら下がっている蛇だ。なんか、凄いよね。

 そこには、「月に冷えているかのような虚の感触」が伴われている。

 今の津軽わさおには、掲句のような俳句の作り方は、思いもよらない。先ず、兼題「鵙の贄」について、夜の場を設定するという頭がない。したがって、「月下の」という発想はない。

 次に、抽象→具象、それもみるみるうちに具象へと焦点を合わせていく、といった手法は、思いもつかない。

 以上の意味合いで、掲句には、完全に脱帽である。そして、改めて、「長きもの垂れて月下の鵙の贄   地選   比々き」を読めば、語弊があるかも知れないが、光景としては、自然の営みを示すものであり、綺麗だよね。



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