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「艇庫に眠る銀の笛」 

2016年07月25日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 最近、俳句作りがとみに盛んになってきているという話を聞く。それは、俳人、津軽わさおとしても、嬉しい限りである。

 そんな中、全国の俳句作りのサイトで最も熱気に包まれているのは、「俳句ポスト365」であろう。「俳句ポスト365」は、愛媛県の松山市が運営する俳句の投稿サイトだ。

 「俳句ポスト365」では、入選が「天、地、人、並」に分かれる。入選の「天、地、人、並」の内訳は、各回、天の俳句1句、地の俳句9句のほか、大体、人選の俳句200句、並選の俳句300句だ。

 人選と並選の入選句といえども、全体3,000句程度のたった17%にすぎない。

 天・地の俳句になると、全体3,000句の中で10句だ。これは、至難中の至難である。津軽を拠点とする俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による天・地の俳句への挑戦は、これまで21回を数えるが、まだ天・地の俳句に入ったことはない。


 直近の「俳句ポスト365」の第149回 2016年6月9日週の兼題は、「月見草」である。兼題の説明に曰く。

月見草(夏の季語)アカバナ科の越年草。北アメリカ原産で、19世紀半ば日本に渡来した。夕方、細い茎に白色の四弁の花を開き、朝方には閉じる。野生化はせず園芸用として栽培されている。待宵草のことを呼ぶ場合もあるが、本来は別種である。

 兼題「月見草」に係る天選1句と地選の9句を以下に掲げる。

 つきみそうリコーダーならラの音だ  天選  ひろしげ8さい    

 
 星屑のやうな飛行機月見草  地選  ぎんやんま   

 月見草艇庫に眠る銀の笛   地選  このはる紗耶   

  
 井戸水の洗顔清し月見草   地選  谷山みつこ     

 静かなり象のしっぽと月見草   地選  Mコスモ     

 月見草硝子は吹いて膨らます   地選  神谷たくみ        

 なりません。月見草にも諭される   地選  江口小春    

 大脳に微かな発火つきみそう   地選  酒井おかわり      

 メキシコも火星も遠し月見草   地選  亀田荒太     

 紅白饅頭の餡は闇色月見草   地選  比々き     

 そして、以下に掲げるのは、俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による人選1句と並選4句である。人選1句と並選4句だが、俳句集団結成後10か月弱の初心者集団としては、健闘である。

 月見草龍飛ぶ崎に風よけて   人選  津軽わさお  

 被曝せし月見草やなにもかもが   並選  津軽ちゃう    

 三津浜や船乗り送る月見草  並選  津軽まつ   

 月見草乙女の像を仰ぎ見る   並選  篠田ピンク  

 水郷の女舟を仕舞いて月見草   並選  野々原ラピ  


 以上のように、天・地の俳句と人選・並選の俳句を並べてみると、違いがある。
 
 どこが違うのか。天・地の俳句は、着眼点が独特であるし、表現の仕方がいい。それによって、読者が感じるなるほど感と味わいが深い。

 だから、いい俳句を作るポイントは、できるだけ独特な着眼点で、できるだけいい表現で、できるだけ読者のなるほど感と味わいを深めることにある。

 「俳句ポスト365」の選者にして、今をときめく俳人、夏井いつき先生のお使いになる表現をお借りすれば、天・地の俳句は、「発想のオリジナリティと描写のリアリティ」に優れ、「上質な詩になっている」、ということであろう。

 付言するに、俳句を作る際の季語との距離間は、近い方がいいようだ。
 



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