メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

敏洋’s 昭和の恋物語り

[舟のない港](七十八) 

2016年07月17日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



「鈴本です。予約していませんけれど、席はありますかしら?」
「これはこれは、鈴本さま。
もちろんでございます。どうぞこちらへ。
いつものように奥がよろしゅうございますか、それとも海岸線の見えますお席になさいますか」

「そうね、今日は外が見える席にしていただこうかしら」
男に対する当てつけのようにも見える。
それなりのステイタスを持った客に対しては、こんな便宜を図ってくれるものなのよ、とでも言いたげな表情に男は感じた。

案内された席から見える光景は、目を見張るものだった。
駐車場から十数段ほどの階段を上がらなければならない折には、なんて気取った店だと憤慨する気持ちが湧いていた。
初めて立ち寄った折に「満席でして」と断られ、「だったら満席ですって札でも出しなさいよ。こんなに階段を歩かされたのに」と憤慨した麗子を思い出した。

全面ガラスの外に並べられた彫像と季節ごとの花々の植えられた花壇とで、駐車場は隠されている。
道路を走る車にしても、余程に背の高い車でない限りは見えることはない。
それより何より、真っ白い砂浜に打ち寄せる白波が美しい。
小さなうねりが所々に出現して、浮世絵を見ているような感覚に襲われた。

「今日は遅くなっても構わないの、主人は海外出張なの」
麗子の言葉の意味することに気付いた男だが、海に気をとられている風を装った。
「少しお酒をいただきたいわ。車? 明日にでも取りに来ればいいのよ」

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR







掲載されている画像

    もっと見る

上部へ