メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

人生日々挑戦

「天地返し」 

2016年03月13日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 2016年3月5日は、二十四節気の一つの「啓蟄(けいちつ)」である。啓は「ひらく」、蟄(ちつ)は「土中で冬籠りしている虫」の意味で、冬眠していた虫が、大地が温まることで春の訪れを感じ取り、穴から出てくる頃を指す。

 そんな中、全国の俳句作りのサイトで最も熱気に包まれているのは、「俳句ポスト365」であろう。「俳句ポスト365」は、愛媛県の松山市が運営する俳句の投稿サイトだ。

 「俳句ポスト365」では、入選が「天、地、人、並」に分かれる。入選の「天、地、人、並」の内訳は、各回、天の俳句1句、地の俳句10句のほか、大体、人選の俳句200句、並選の俳句300句だ。

 人選と並選の入選句といえども、全体3,000句程度のたった17%にすぎない。

 天・地の俳句になると、全体3,000句の中で11句だ。これは、至難中の至難である。津軽を拠点とする俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による天・地の俳句への挑戦は、これまで11回を数えるが、まだ天・地の俳句に入ったことはない。


 直近の「俳句ポスト365」の第139回 2016年1月21日週の兼題は、「雉」である。兼題の説明に曰く。

雉(春の季語) キジ科の鳥で日本の国鳥。草原や雑木林などに棲む。春に雄が雌を呼ぶ声を放つことから春の季語とされているが、留鳥である。

 兼題「雉」に係る天選1句と地選の9句を以下に掲げる。

 雉鳴けりこれより雪の無き林       井上じろ   天選
 
 雉低くよぎって空港まで5キロ      カリメロ    地選
  
 雉子鳴くや給水塔の光るなり       かをり     地選

 父の手に仕留めた雉の垂れにけり    いもとやへえ  地選

 吊られたる雉蒼蒼と腥し  くらげを   地選   腥し(なまぐさし)

 雉寄り来天地返しの土の香に    たんじぇりん金子 地選

 雉鳴くや犬目、猿橋、鳥沢宿    関野無一     地選  

 雉の声火のにおいする不動尊    28ひろきち    地選

 雉過ぎり若沖の絵に戻りけり    雪うさぎ     地選

 日の本の春連れ雉は天中へ    理酔   地選

 そして、以下に掲げるのは、俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による人選1句と並選4句である。人選1句と並選4句でも、俳句集団結成後6か月弱の初心者集団としては、大健闘である。

 くさはらの王者は雉に決めました  篠田ピンク 人選

 撃たるるは千も承知と雉鳴けり    津軽わさお    並選

 雉通う小学校は峡の村     津軽ちゃう   並選
 
 丑三つに光る雉の目四つあり    津軽まつ 並選

 じょんがらの切ない節や雉の鳴く  野々原ラピ  並選

 
 以上のように、天・地の俳句と人選・並選の俳句を並べてみると、違いがある。
 
 どこが違うのか。天・地の俳句は、着眼点が独特であるし、表現の仕方がいい。それによって、読者が感じるなるほど感と味わいが深い。

 だから、いい俳句を作るポイントは、できるだけ独特な着眼点で、できるだけいい表現で、できるだけ読者のなるほど感と味わいを深めることにある。


私の人気ブログランキングへの応援のため、
ポチッと↓をクリックお願いします。
http://blog.with2.net/link.php?1546952 



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

PR







上部へ