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敏洋’s 昭和の恋物語り

にあんちゃん 〜大晦日のことだ〜 (三十) 

2016年02月26日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 久方ぶりに自宅に戻ったほのかを待っていたのは、腫れ物にでも触るが如きの孝男だった。
「お母さんは?」
「母さんは、じいちゃんのところだ。遅くならないうちに帰ってくるさ。
それよりどうだ、お父さんの銀行に入らないか。テラーの一人が産休で席が空くんだが」
「またその話を。あたし、がんばるもん。辞めるなんてイヤ!」
「しかしなあ…。体がきついだろうに。この間も、体中が痛いって、言ってたじゃないか」
 なおもこだわる孝男だが、ほのかの気持ちが揺らぐことはなかった。
「あそこではおしゃれができないだろう。その、なんだ。
ネイルとか言うのはどうだ? してみたいだろうが。けども介護士ではむりだろうに…」

「別に良いもん。したいなんい思ってないから。それよりお父さん、携帯がなってるよ」
「なんだ。どうした、道子」
 不機嫌に出た孝男の耳に
「あなた、あなた! お義父さんが、お義父さんが…」
 慌てふためく道子の声が入った。
「ほのか、じいちゃんが危篤らしい。すぐに行くよ」

 門扉を開けるのももどかしく、ガチャガチャと音を立てて中に入った。
玄関よりは庭先の方が早いと回り込んだ。

 道子の世話を受けて咲き誇っていた鉢植えの殆どが枯れかかっている。
黄色のガザニア、赤いコスモス、ピンクのヒナ菊、そして白いマーガレットらが、家の主とともに枯れかかっている。
生け垣のサザンカもてんでに枝が伸び、刺々しく見える。

このところの一家を暗示しているかの如きに、まるで調和がとれていない。

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