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敏洋’s 昭和の恋物語り

にあんちゃん 〜介護施設で働き出した〜 (二十三) 

2016年02月19日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 思いもかけぬ言葉に、耳を疑うほのかだった。

「あなたをね、自分の娘さんのように感じたのじゃないかしら。
はいはいって、いつも素直なあなたがね、身内だったら…って思ったのよ、きっと。

親愛の情を示したつもりだったのよ。
けどそれが、あなたには伝わらなかったのね。

いえいえ、あなたが悪いんじゃないのよ。
誰だって、傍から見ててあれはセクハラとしか見えなかったわよ。

あなたはあなたなりに一生懸命対応してたわ。
それを勘違いしちゃったのね、坂本さん。

ちょっと度が過ぎてるかな、と思いつつのことが、あなたの恐がる態度に弾けちゃったのね。
怒りに変わっちゃったのね」

奥村の身振り手振りを交えた話を聞いている内に、ほのかの目から涙が溢れ出た。

 そう言えば…と、思い出した。
仕事を終えて寮に戻る途中だった。

誰も入室していないはずの部屋から、ボソボソと話し声が聞こえた。
空耳かと思いつつ部屋をのぞき込んだ。

「何だねえ、お前は。なにかい、このあたしが他の女に色目を使っているとでも言うのかい? 
どうせ、口さがない雀たちにでも聞かされたんだろうて。

あたしとお前を仲違いさせようという魂胆に相違ないわ。
ほれほれ、こっちにおいで。

あたしが、寒がりのお前を暖めてやろうじゃないか…」

 日も落ちて暗くなり始めた部屋で、ベッドの上に正座している坂本が、落語のつもりなのかひとり語りを続けていた。
そしてその前で、神妙な顔つきの田上が居た。
身振り手振りを交えて熱演する坂本の額には、うっすらと汗が滲んでいた。

 しばし足を止めて聞き入っていたが、話が終わると同時に思わず拍手をしてしまった。

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