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冬凪やああ冬凪や冬凪や 

2016年01月22日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 冬の厳しさが続いている中、俳句作りのサイトで日本で最も熱気に包まれているのは、「俳句ポスト365」であろう。「俳句ポスト365」は、愛媛県の松山市が運営する俳句の投稿サイトだ。

 「俳句ポスト365」では、入選が「天、地、人、並」に分かれる。入選の「天、地、人、並」の内訳は、各回、天の俳句1句、地の俳句10句のほか、大体、人選の俳句200句、並選の俳句300句だ。

 人選と並選の入選句といえども、全体3,000句程度のたった17%にすぎない。

 天・地の俳句になると、全体3,000句の中で11句だ。これは、至難中の至難である。津軽を拠点とする俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による天・地の俳句への挑戦は、これまで8回を数えるが、まだ天・地の俳句に入ったことはない。
 

 直近の「俳句ポスト365」の第136回 2015年12月10日週の兼題は、「冬凪(ふゆなぎ)」である。兼題の説明に曰く。

冬凪(冬の季語)  とかく風が強く吹きすさび、海の荒れる日が多い冬にあって、風向きの変わるときなどに、しばらく風が止んで、海の波がおだやかになること。

 兼題「冬凪」に係る天選1句と地選の10句を以下に掲げる。

 冬凪や浜舐め戻す波うすし     み藻砂     天選

 帯電したまま冬凪を飛んでゐる    Y音絵     地選

 冬凪やフェリーの窓に乾く潮     矢野リンド   地選

 冬凪や塩の欠片のやうに島      樫の木    地選

 冬凪や固き漁協のメロンパン     トポル    地選

 冬凪の港に匂うC重油         スズキチ   地選

 ぐつぐつと滾るアーク炉冬凪ぎぬ   比呂 無   地選   滾る(たぎる) 煮えたつ

 冬凪や涸びし骨の蹴りごこち     とおと   地選 涸びる(からびる) 水気がなくなる

 冬凪や死んでも猫はやわらかく    江口小春   地選

 冬凪や妻の座譲る日の朝の      ぐわ    地選

 リーマンゼータ関数めく冬凪      はとほる  地選

 そして、以下に掲げるのは、俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による人選3句と並選3句である。人選3句と並選3句というのは、俳句集団結成後4か月弱の初心者集団としては、大健闘である。

 冬凪や国後島に手が届く        津軽わさお  人選

 冬凪の津軽のことは太宰に訊け     津軽ちゃう  人選

 海峡の冬凪ぐ先は北海道       津軽まつ   人選

 冬凪も頬突く痛さ生きてゆく      津軽まつ   並選

 冬凪や啄木眠る立待岬         篠田ピンク  並選

 冬凪げば乾いた魚旨味出る       野々原ラピ  並選

  
 以上のように、天・地の俳句と人選・並選の俳句を並べてみると、違いが分かるような気がする。
 

 当然のことながら、天・地の俳句の方が人選・並選の俳句よりも上手いのだが、どこが違うのか。それは、天・地の俳句の方が、着眼点がいいし、表現の仕方がいい。それによって、読者のなるほど感は、天・地の俳句の方が上回る。

 だから、いい俳句を作るポイントは、できるだけいい着眼点で、できるだけいい表現で、できるだけ読者のなるほど感を上げることにある。ということを、今回、学ぶことができた。そこで、一句。

 冬凪やああ冬凪や冬凪や


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