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少し道草　

2015年12月07日
テーマ：テーマ無し

　ホームグロウン・テロリスト

　パリで起きた忌まわしい連続テロの後も、アメリカ、イギリスなどで、自国内で育ったテロリスト達による攻撃（ホームグロウン・テロ）が絶えません。公安調査庁によると、ホームグロウンとは下記の通りです。
http://www.moj.go.jp/psia/ITH/topic/201401_column.html

　 「ホームグロウン・テロリスト」
「ホームグロウン・テロリスト」とは，一般的には，欧米諸国に居住する者で，「アルカイダ」などの唱える主義主張に感化されて過激化し，居住国でテロを行う者を指す。「ホームグロウン・テロリスト」の過激化は，通常，居住国において（注1），インターネットなどを通じて進行するとされる。
「アラビア半島のアルカイダ」（AQAP）は，英語表記の機関誌「インスパイア」（Inspire）を配信し，この中で欧米諸国における自発的なテロ実行を呼び掛けるなどして，英語圏に居住するイスラム教徒の過激化を狙った活動を活発化させている。同機関誌では，自動小銃などを用いたテロや，台所にある身近な材料などを用いた爆弾の作り方などを紹介している。
過激化の結果，外国の紛争地域等に渡航してテロ訓練を受けるに至った者も「ホームグロウン・テロリスト」とみなされるが（注2），外国のテロ組織から指示を受けて行動する者については，多くの場合，「ホームグロウン・テロリスト」とはみなされないとされる（注3）。
「ホームグロウン・テロリスト」によるとされる事件として，2004年11月，オランダでイスラム教に批判的な映画を作成した映画監督が殺害され，同国人ら9人が逮捕された事件，2006年6月，カナダ・トロントで爆弾テロ計画が摘発され，同国人ら18人が逮捕された事件（注4），2009年11月，米国フォートフッド陸軍基地で軍医が銃を乱射して兵士ら13人が殺害された事件（注5）などが挙げられるほか，2013年4月のボストンマラソン爆弾テロ事件もそうした見方が(注6)ある。
一匹狼型の「ホームグロウン・テロリスト」
「アルカイダ」は，2011年以降，「アルカイダ」に同調する欧米在住者に対し，「一人又は少人数」で自発的にテロを実行するよう勧める声明を発出するなど，「個人的ジハード，単独ジハード」の実行を呼び掛けるようになった。近年，こうした一匹狼型の「ホームグロウン・テロリスト」が大きな脅威として認識されて（注7）いる。
一匹狼型の「ホームグロウン・テロリスト」によるとされる事件として，2010年5月，英国ロンドンで発生した同国下院議員刺殺未遂事件（バングラデシュ系英国人女性の犯行），2011年3月，ドイツ・フランクフルトで発生した米軍兵士射殺事件（コソボ出身ドイツ居住者の犯行）などが挙げられる。
一匹狼型の「ホームグロウン・テロリスト」は，集団の中で行動するテロリストに比べて，動向の把握が困難であるとともに，テロリストとして把握・識別することも困難であるとされ，その脅威が浮き彫りになっている（注8）。


　シリア、イラク内で、ＩＳが追いつめられる中、アルカイダ系を含む何らかの国際テロリストたちが連携しながらＩＳを空爆するアメリカ、フランス、イギリス、ロシア等の国内で育ち、感化されたテロリストたちが支援活動を活発化させているものと思われます。これらのテロ行為を抑制するためには残念ながら、夫々の国内において公安・警察当局が未然に情報収集の上、テロ防止をすることが重要です。また、これらの情報を国内外の関連部署で共有すると同時に、個人が自分と自分の属する社会をテロから守るために協力する必要があります。特にこれまで平和と安全を享受してきた我が国は、海外からの観光客も急増しつつあります。2020年対策も踏まえて、国や関連自治体は早急に対策を整備すべき時です。

　しかしながら、ＩＳと直結しないまでも、現代社会が直面する格差拡大、貧困の問題に対処することが重要です。社会の不安定化は「絶対的貧困」にその根源を有します。所得や資産格差の拡大を広げない対策が必要です。教育や職業訓練による失業者対策、最低賃金、生活保護などへの配慮は勿論のことですが、国籍や宗教、性別差別、生まれながら障がいを持つ人、犯罪者など、社会的に制裁を受けた人への社会での包摂も含めて検討すべきです。難民受け入れに対する考えががますます硬化するのも一時的にはやむをえないかも知れませんが、だからこそいろいろな対策を準備したうえで、積極的に問題解決に協力すべき時だと考えます。

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