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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十五)己を卑下するような物言いに 

2015年07月30日 外部ブログ記事
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「いえ。僕は、別に‥‥」
「ありがとう、おじさん。違うのよ、彼は。
私を責めているんじゃないの。彼は、とっても優しいひとなの。
彼こそ、純真なの。その純真さにつけ込んだ私が悪いの。
こんな私を見ると、放っておけなくなる人なのよ。
さあ、私の話はもうお終い。
度は、たけしさんのおのろけ話を聞かせて」
ひとしきり泣いた貴子は、明るい笑顔に戻った。
晴れ々々とした表情で、彼を正視した。
少し充血した目で見つめられると、彼は嘘を付けなくなった。

「麗子さんには、昨日会ったんだ。貴子さんのこと、麗子さんに聞かされて。
でもね、麗子さんとは一年近くも会っていなかったんだ。
それに、恋人なんかじゃないよ。高嶺の花だよ、麗子さんは。
第一、婚約者が居るんだから。僕なんか、不釣り合いだ」

吐き捨てるように言う彼を、意外そうな面持ちで見る貴子だった。
己を卑下するような物言いに、貴子は哀しさを隠せなかった。
(たけしさん、あなたは素敵な青年なのよ。
麗子さんだって、あなたとならって思ってらしたと思うわよ。
わたしが好きになったのは、あなたの誠実さなのよ。
でも本音を言うと、嬉しい。
麗子さん相手では、わたしの入り込める隙は、もうないでしようから)

「ホントにぃ? でも、お付き合いしてる女性は、居るでしょ?」
「うん、居る。いや、居たと言うべきかな? というのも、彼女、今実家に帰っているんだ。
お父さんの具合が悪くて。お母さんが看病疲れで倒れられてね、その世話に帰ってるんだ。
恐らく、こっちには戻って来れないと思う。本人も諦めているみたい。
勤め先を辞めちゃった位だから」
「そう、そうなの。淋しいわね、それじゃ」
「実を言うと、こっちから押し掛けようかなあ、なんて考えたりもしてて。
無理だけどね、実際は」

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