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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十五)特別な女性なのだ 

2015年07月22日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



車は静かに本道に入り、猛スピードでインターチェンジを出た。
麗子は、国道に下りてすぐのモーテルに、車を滑り込ませた。
その間僅か十分程であったが、彼には長い時間に感じられた。
麗子の思いとは裏腹に、彼は気まずさの中に居た。
あれ程に恋い焦がれた麗子と、今、モーテルに入ろうとしている。

歓喜の世界に酔って良いはずなのに、何故か後ろめたさが付きまとった。
やはり麗子は、彼にとって特別の女性なのだ。
侵すべからざる神聖な女性なのだ。
車が走り続ける間中、幾度となく「このまま帰りましょうと」いう言葉が、喉まで出かかった。
しかし、どうしても口に出来なかった。
麗子が車外に出ても、彼は車から降りることが出来なかった。
麗子に促されて、やっと腰を上げた。

無言のまま部屋に入った彼は、それでもドアの前に立ちすくんでいた。
「どうしたの? こういう所は、初めて?」
嬉しそうに尋ねる麗子に、
「はい」と、小さく答えた。
真理子との夜を過ごした経験がある彼だったが、思わず嘘を付いてしまった。

「そう、そうなの。ごめんなさいね、私は、何度か‥‥」
済まなさそうに答える麗子に、彼はチクリと心が痛んだ。
「武士さん、変わってないのね。
それとも、昔の純真な貴方に戻ってくれたのかしら? だとしたら、嬉しいわ。
さあ、いらっしゃい。少しお酒でも、飲みましょう。
いいじゃない、お話をするだけでも」

麗子が、彼の元に近づいてきた。
そして彼の手を取ると、麗子の腰に宛わせた。
「好きよ、武士さん。今夜の麗子は、貴方の、こ・い・び・と。ねっ」
麗子の唇が、触れられた。
柔らかいその唇は、彼を一瞬にして野獣に変えた。

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