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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

旅番組いろいろ 

2015年06月22日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


 このところテレビの旅番組が目白押しで、楽しみです。

最近では4月上旬にスペインを旅しましたので、

訪れた土地の懐かしい風景が画面いっぱいに広がると、

その時の情景と重なって、懐かしく嬉しいものです。

また、行ったことのない国への旅番組では、見知らぬ街の佇まいや

お国ぶりを知ることができ、次に行ってみたい所への夢が広がります。

 

 そういう私も、現役時代に民放テレビ局で旅番組の制作を

担当したことがあり、番組のスタイル、取材や下調べの困難さ、

構成の巧みさ、さらに適切なコメントの執筆、美しい映像……等々、

1本の番組を制作するのにも多くの課題があって、

良い番組にしようと多大なエネルギーを費やしたものです。

 

 そんな「前科」があるので、どうしても番組を裏から見、

粗探しをしてしまい、楽しさが半減してしまいます。でも、

多くの番組はただ旅先の観光案内にとどまらず、バスや鉄道の旅、

街歩き、祭りなどのイベント、水辺の生活などとテーマを絞って

放送してくれるので興味もわき、想像力をかき立ててくれます。

 

 最近の旅番組では少なくなりましたが、誰か有名人が画面に出て

旅の案内をするスタイルがありました。

旅もそこそこに、どこかの名物料理を頬張って、大げさに「うまい!」を

連発するあれです。

それはそれで苦々しいのですが、その有名人ばかり画面に映って、

肝心の美しい自然や街の佇まい、その土地に生きる人々の生活が

ちっとも伝わって来ないバカげた旅番組には閉口しました。

 

 その反省からなのか、制作費の制限からなのか、番組スタッフだけで

取材、撮影し、案内をしてくれる人は画面には登場せず、

書かれた原稿でナレーションしたり、カメラが案内人や視聴者の

目線になって番組を構成するスタイルが定着して来たようですね。

 

「トラベリックス 世界体感旅行」(日・19時、BS日テレ)、

「世界一周魅惑の鉄道紀行」(日・23時、BS−TBS)などは

ナレーションで番組を進めていますが、やはりこの方法が私は好きです。

落ち着いて見られるし、情報の密度が高いからです。

 

「大人のヨーロッパ街歩き」(火・19時、土・18時、BS日テレ)は

有名人が現地に嫁いだ日本人にその土地を紹介してもらうという企画。

依頼された人は大きなプレッシャーを感じてしまうでしょうが、

日本人として、また、現地の生活者として現地に溶け込み、

誇りを持って紹介・案内してくれる姿にとても嬉しくなります。

ただ、歴史や文化の面ではやや物足りなさを感じますね。

 

 残念な番組もあります。「ヨーロッパ空中散歩」(火・22時、BSフジ)は

ヘリコプターから俯瞰した映像を使って、今はスペインを中心に

各地を紹介しています。

そのアイデアは良いのですが、原稿とナレーションが稚拙です。

この番組のディレクターは下調べや取材もしていないと思うほど、

必要で大切な情報が欠落していて、欲求不満になってしまいます。

案内役・ナレーションの斉藤由貴も声がかすれて聞きづらく、

およそナレーターの資質はありません。

 

旅の恥は掻き捨て・・・のような恥ずかしい旅番組もあります。

「地球バス紀行」(木・21時、BS―TBS)です。

画面には登場しない旅人・案内人のEXILE ÜSAが意図も計画も無く

路線バスに乗って旅をするという「設定」で各地を訪れる

ハチャメチャな旅番組です。

 

 通行人、バスの運転手、乗客・・・等々、手当たりしだい誰にでも、

何でもかんでも聞きまくって旅をするのですが、

番組を見ている方が恥ずかしくなってしまいます。

由緒あるワイナリーにアポなし(という設定)で訪れ、オーナーの部屋で

テイスティングまで所望する場面は、いくらなんでもやり過ぎでした。

 

そういう旅もあって良いでしょうし、天真爛漫と言えば

そうかも知れませんが、視聴者を欺くような制作者の下心が透けて見え、

不愉快になってしまいます。

「世界各駅停車の旅」(木・22時、BSフジ)も同じスタイルですが、

案内してくれる現地の人や質問の相手には、事前に依頼や交渉が

適切に行われているのが分かり、好感が持てます。

 

 旅番組もピンキリですね。

 

(注)放送の曜日・時刻は私が見たもので、毎週固定されているか

どうか定かではありません。

 

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