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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十二) 絶叫マシン 

2015年05月08日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



「絶叫マシンに乗ったんだけど、目を閉じてるの。いつもの先生じゃなかったのよ」
「ハハハ、そうか。先生は、ああいった乗り物は苦手か。ハハハ、そりゃあ、いい」
「あなた、失礼ですよ。あなただって、だめでしょうに。ごめんなさいね、先生」
と言いつつも、母親も声を押し殺して笑った。

由香里の身振り手振りの話に、父親は目を細めて聞き入っていた。
母親は、「あら、まあ」「ええっ、そんなことを」等と、相槌を打った。
彼は、赤面をするだけだった。

「でね。最後に、大観覧車に乗ったの。すっごく、イルミネーションがきれいだったよ。そこでね、ふふふ‥‥」
話の途中で含み笑いをする由香里に、母親が
「えっ、何、なんなの。途中で止めるなんて、気になるじゃないの。
どうしたの、その大観覧車で」
と、話の続きを催促した。彼は思わず、下を向いてしまった。

?まさか、あのことを。口止めしたのに、まさか?
気が気ではない、彼だった。
しかし由香里は、まるで無邪気だった。

「キスして! って、おねだりしたの。ふふ。そしたら、先生ったらね。
真顔で、怒るんだよ。もう、ビックリしちゃった」
「あらあ。それは、残念だったわね。由香里ちゃんの、ファーストキスなのにねえ」
「ハハハ。由香里は、子供に見られているんだよ、先生には。ハハハ。ねえ、先生」

彼には、驚きだった。
厳格な父親だと思っていたが、少し意外な面を見た思いだった。
母親の言葉には、娘に対する信頼を感じられた。

「はあ。僕には、妹のようなものですから。一人っ子なので、妹が欲しかったんです」
「イヤっ、妹なんて。でもいいの。受験に合格したら、またデートしてもらうから。ねっ。約束よ、先生」
両親には見られぬように、体を入れ替えて見せた上目遣いには、少女とは思えぬ妖艶さが見えた。

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