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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十二) 従妹なんですよ 

2015年04月25日 外部ブログ記事
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結局、大きな花柄のワンピースを由香里は手にした。
彼はホッとした表情で
「うーん、良いよ。凄く似合ってる。ますます可愛らしくなった」
と、手を叩いて褒めそやした。

「そうだね。今の由香里には、これが一番だよね」
満足そうに頷きながら、由香里はレジに進んだ。
彼は、由香里を制して支払いをすることにした。

「ご褒美だ。テストを、頑張ったね」
「やったあ! じゃあさ、由香里にもお兄ちゃんにプレゼントさせて」

顔を輝かせながら、由香里はアクセサリー売り場に駆け出した。
あれこれ楽しそうに品定めをする由香里だったが、"あれもいいし、これもいいなあ"と、決めかねた。
次第に苦痛を感じ始めた彼は、強引に財布セットに決めさせた。

「毎日持ち歩くし、由香里ちゃんと一つずつ持てるじゃないか。
僕が札入れで、由香里ちゃんが小銭入れにしよう」
そんな彼の提案に、由香里は素直に頷いた。

「あらあ、ミタライ君じゃない? なあに、サングラスなんかしちゃって」
レジ係の女性社員は、幸か不幸か貴子の友人だった。
同期入社で、唯一人の友人だった。
バツの悪い思いをしながら、
「久しぶりです。お元気ですか」
と、答えざるを得なかった。

幸い、由香里は他のアクセサリーに夢中で、彼の傍には居なかった。
「あの娘、だあれ? この浮気者が。ところで、貴子は元気してるぅ?」
「えっ? えぇっ、まあ」
その女性社員の問いかけは、彼にとって意外なことだった。
貴子との別れを知らされていないようだった。

「ミタライ君が辞めてから、貴子ったらしょげかえって大変。
誘ってもさ、いつも、用事があるからって。ホント、付き合いが悪くなったわ。
一日でも逢えないと、だめみたいね。この、色男があ」

話に夢中になり、なかなか支払いができない。
といって無碍な態度を取るわけにもいかず、彼は困り果てた。

「お兄ちゃーん! もう、済んだあ?」
帽子コーナーから、由香里が声をかけてきた。
救われた思いで、彼は
「あお、終わったよ」
と、答えた。

「ごめんなさいね。あの娘、妹さんなの?」
「いえ、従妹なんですよ」

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