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私の備忘録、川崎宗則選手・「行かないで!女性記者が公開ラブレター」
2015年03月01日
テーマ:私の備忘録
スポーツ選手の活躍は、時として我々に大きな感動を与えてくれる。そうした時、つくづくスポーツって素晴らしいなと思う。
野球の川崎宗則選手、愛称「ムネリン」は、1981年6月生まれの33歳である。日本のプロ野球、福岡ソフトバンクホークスを経て、米大リーグに挑戦し続け、2015年シーズンで4年目に入る。
2012年はシアトル・マリナーズで 、2013年からはトロント・ブルージェイズでプレーしている。毎年、まずはマイナー契約でスタートし、メジャー昇格を勝ち取るという努力の人である。
考えてみれば、今や米大リーグに数多くいる日本人選手の中で、アメリカ国民やカナダ国民から最も愛されている日本人選手は川崎宗則選手であると思う。
そのことを示す資料がないか、ネット先生に聞いてみた。
そうしたら、日刊SPA!の2013年11月4日付け配信ニュースがヒットした。行かないで!契約解除のムネリンに記者が公開ラブレター、とのタイトルが付いている。
女性記者からの、「行かないで!」という公開ラブレターに対しては、結果的に、川崎宗則選手は応え、今日に至っている。
以下に掲げる公開ラブレターの全文を読めば、いかに川崎宗則選手が素晴らしいか、いかに米大リーグファンから愛されているかが、実によく分かる。これを読める日本人の一人として、津軽のシニアブロガーは、誇らしい。
配信ニュースの送り手は、我々、読み手に、「手元にハンカチをご用意の上お読み下さい」と勧める。このような表現を用いる送り手の感受性を讃えたい。
で、配信ニュースに曰く。
メジャー2年目の今季、ブルージェイズの地元トロントで「ムネリンフィーバー」を巻き起こした川崎宗則。シーズンが終わり 帰国後もムネリン人気は止まるところを知らず、ついにはトロントの女性レポーターから“公開ラブレター”を受け取った。
すでに報じられている通り、ブルージェイズは現地時間11月1日、球団側が選択権を持つ川崎の来季契約オプションを破棄することを発表した。川崎はフリーエージェントとなり、日米全球団との交渉が可能になる。
このニュースが報じられた当日、カナダ最大のニュースサイト『ザ・スター・ドットコム』に、川崎にブルージェイズ残留を懇願する“手紙”が掲載された。
ラブレターの送り主は、同サイトの女性レポーター、キム・ナーソールさん。レポーターとしての立場など関係なく、いちファ ンとして「ムネに残って欲しい」の一心だけで、契約解除の報道から1日も経たないうちにその愛を綴った。
以下、公開ラブレターの全文を日本語訳したので、手元にハンカチをご用意の上お読み下さい。
◆「親愛なるムネノリへ」(日本語訳)
子供の頃、私は毎日ブルージェイズの試合を見ていました。ベースボールというスポーツをよく知らなかった私は「一緒に遊びに出掛けたくなるような、素敵で面白い選手」を基準に、お気に入りの選手をいつも探していました。
ムネ、あなたこそは、まさに私が探し求めていた人です。そして今、あなたがチームを去るかもしれないと聞きました。
私たちはまだ1シーズンしか共に過ごしていないけれど、それは私たちがあなたの虜になるには充分な時間だったし、まだお別れをする準備なんてできていません。
オールスター級の選手がひしめくブルージェイズにおいて、非力なマイナーリーガーとしてチームに加入したあなたがチームに多大な貢献をもたらすとは、誰も期待していませんでした。
しかしあなたは、トロントの注目を一身に集め、そしてファンの心を掴みました。
金曜日(11月1日)、その心が打ち砕かれました。ブルージェイズは100万ドル(約9,800万円)の契約オプションを破棄し、あなたをフリーエージェントにしました。あなたは、より安い契約でチームに戻ってくるのか、それとも他のチームに行くのか、あるいは日本に戻ってしまうのでしょうか?
私は、あなたにお別れを言うためでなく、お願いをするためにこの手紙を書いています。ムネ、トロントに残って!
お金のためではなく、私たちのために。幸せはお金で買えないと、皆が言うでしょう?
あなたは、バックアップ要員としてスプリングトレーニング中に契約した、32歳のショートストップにすぎませんでした。大型契約で加入したスター選手たちとは、全く立場が違いました。
それでもあなたは、残念な結果に終わったブルージェイズのシーズンにおいて、希望の光となりました。あなたのベースボールに対する情熱、姿勢、そして周囲の人間をも動かす愛を否定する人は誰もいません。
あなたは英会話帳を持ち歩きカメラの前でも躍動し、そしてダグアウトからチーム最高のチアリーダーになりました。何もかもが上手くいかなかったチームにおいて、あなたこそが私たちが応援すべき人になりました。
あなたがマイナーに降格したとき私たちは絶望しましたが、その2日後にあなたはすぐ戻ってきたので、私たちの悲しみは長くは続きませんでした。
でも今回は、私たちはどれほど長い時間、悲しみに暮れなければいけないのでしょう?
あなたが打席で苦しんでいるとき、私たちも皆苦しんでいました。24打点、打率.229という平凡な成績だったからこそ、あなたが結果を残したとき私たちは無条件で喜びました。あなたがボルティモア・オリオールズ戦でホームランを打ったとき、私たちがあなたの名前をチャント(合唱)したのを覚えていますか?
金曜日、ツイッターでは悲鳴と悟りの声が上がっていました。
「勝利のためには、チームのためにプレーできる選手が必要だ。彼はここ数年で最高のチームプレイヤーなんだ」
「カワサキ!ノー、ダメだ!行かないでおくれ!」
「OK、わかった。幸運を祈るよ、バディー」
来年のあなたに私が望む唯一のことは……ブルージェイズに戻ってきてくれること、それだけです。
ムネ、あなたは何て言うかしら?ファンのために、残ってくれるかしら?
キム・ナーソール(Kim Nursall)
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