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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜  

2015年02月24日 外部ブログ記事
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牧子と連れ立って歩きながら、彼は嬉しさを噛み殺せなかった。
ついつい、頬が緩んでしまう。
永年の付き合いのような牧子の振る舞いが、彼を有頂天にしていた。
彼のことを“ボクちゃん”と呼んだのには驚いたが、それとて心地よい響きだった。

「牧子さん、どうしてボクちゃんなんて、呼んだんですか?」
「ごめんねえ。だめだった? ボクちゃんでは」
実のところ、名前を失念していた牧子だった。
御手洗という苗字のインパクトが強すぎて、どうしても覚えられなかったのだ。

と同時に、名前で相手を呼ぶことに慣れていない牧子でもあった。
不倫相手の中田ですら、名前を使うことはなかった。
中田が、嫌うのだ。「けじめだ」と、ひと言で拒否された。
何か壁のようなものを感じる牧子だったが、それ以上に入り込むことはできなかった。

“そう言えば、あの人のことを何も知らないわ”
職場での彼は知っていても、家族関係については皆目だった。
署内において、お互いのプライベートについては詮索しない、といった慣習のようなものがあった。

「だって、御手洗君ではおかしいでしょ。
“ぼくは”を、口癖のように使ってるからね。
従弟だし、その方がいいかなあって、考えたのよ」
「じゃあ、ぼくは“お姉さん”って、呼んでいいですか? ホントは、叔母さんなんだけど」

歩く度に、牧子の胸の膨らみが彼の腕に当たってきた。
彼はドギマギしながら、今日の雨に感謝していた。
牧子は一向に気にする風でもなく、彼の腕を軽く抓った。
「ちょっとお! おばさんは、ないでしょうに。
あっそうか、お姉さんって呼んでくれるのよね。ごめん、ごめん」

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