メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

群れに戻った羊が見たもの(2) 

2015年02月22日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


 この項は前回、「群れに戻った羊が見たもの(1)」からの続きです。

オーストラリア移住から一昨年6月に永住帰国して気が付いた

両国の違いを様々な事柄から取りあげて綴っています。

 

 日本に帰って来て、ホッとし嬉しくなったことがあります。

それは日本の人々が各々の仕事、作業を正確に素早く責任を持って

完遂することです。日本人にとっては当然のことですが再認識しました。

しかし、オーストラリアでは、契約したり依頼をしたり注文したりする場合、

相手が専門、担当の人であっても、役人であっても、

正確にこちらの意図を汲んで仕事を遅滞なく進めてくれることは

まず期待できません。

 

 この話題はこれまでにも多くのエピソードをご紹介してきましたが、

例えば、電話などの料金請求。

私たちは大手のテルストラと契約したのですが、

最初、固定電話とケイタイ、それにインターネットの3種の請求書が

バラバラに送られてくるので支払いが一度で済むように、

皆一枚にまとめて請求するよう依頼をしました。

 

 日本なら一度の連絡で完璧に処理されるような作業ですが

固定電話とケイタイは1枚の請求書になりましたが、

なぜかインターネットだけ別だったので、

近くのテルストラで全部まとめた請求にするように再依頼したのです。

ちょっと太めの係の女性はニッコリして「あ〜、簡単よ」と言って

コンピューターの端末に私のデータを入力して「はい、できたわよ」。

 

 しかし、彼女はプリントアウトした私のデータを見て、どこかを鉛筆で

修正して、ちょっとしかめっ面するのです。

でも、「OK、問題なしよ」というので、わたしは「これでいいのかな?」と

心配しながら店を後にしました。

案の定、次からの請求書は最後まで1枚にまとまりませんでした。

こんなのは、まだ程度が良い方で、日常茶飯事です。

 

 公務員ならしっかり仕事をするだろうと思いますが、

多くの場合、民間より仕事は遅く不正確で信頼できないことが多く、

電話で何度も確かめたり催促することが必要不可欠です。

オーストラリアの人々はそうするのが「当然」だとさえ思っているようです。

そして、それが日常の生活にしっかりと定着しているのです。

 

 その理由は簡単。国土は日本の21倍、人口は6分の1。

おまけに地下資源が豊富ですから人々は目を吊り上げて働かなくても

豊かな生活が保障されているからです。

オフィスの金曜日は週末の遊び方の情報交換、

月曜日はその結果報告でほとんど仕事にならないといいますから

仕事がどのように処理されるか分かりますね。

 

 そんな国から帰ってきたのですから日本人の仕事の誠実さ正確さ、

それに速さに改めて驚き感心してしまうのです。

ありがたいことです。

 

 でも、良い事ばかりでもなく残念なこともあります。

私たちが購入した新しいアパートはとてもお洒落で、

設備も整っているのですが、入居してすぐに気付いたことがあります。

それは廊下やベランダの床から立ち上がる壁面の最下部、

5センチほどの巾木と呼ばれる部分のコンクリート地の仕上げが雑で、

その上に塗料が塗ってあるのでそれが見苦しいのです。

 

 建設業界は人手不足で悲鳴を上げていると聞きます。

多分、素人に近い職人の仕事だろうと思いますが、

それを見逃した現場の責任者も、会社も「無責任」ですね。

日本人の仕事観にどこか不吉な予感がします。

 

 この稿は次回「群れに戻った羊が見たもの(3)」に続きます。

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR





掲載されている画像

    もっと見る

上部へ