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吾喰楽家の食卓

初めての国立演芸場 

2015年02月10日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

昨日、国立演芸場へ落語を聴きに行った。
以前から興味はあったが、ようやく念願が叶った。
もっとも、寄席に行くこと自体、50年ぶりになる。
国立劇場の歌舞伎をパソコンで調べていて、演芸場のチケットを予約してしまった。
場内の300席は、均一料金の座席指定である。
何より驚いたのは、その安さだ。
定席公演の上席(1日〜10日)と中席(11日〜20日)は、一般、学生、小学生のほかに、シルバー(65歳以上)が設定されている。

国立演芸場へは、地下鉄有楽町線の永田町から行くことにした。
有楽町線は、東武東上線と相互乗り入れしているので便利である。
多少、時間は余分にかかるが、池袋で乗り換えることにした。
地下街の蕎麦屋で昼餉を済ませてから、演芸場へ行くことにしたのである。
ところが、お目当ての蕎麦屋が見つからない。
一度入った店にもかかわらずだ。
10分ほど歩いて諦め、デパートで「大阪助六」を買った。
寄席に持ち込むのに、相応しい名前ではないか。
太巻と稲荷だけでなく、鯖、穴子、海老の押し寿司が入っている。

永田町の4番出口から、演芸場へ向かった。
これから、時々、通うことになるはずの道である。
観察しながら歩いた。
直ぐに、レストランがあった。
少し高そうな店である。
入口の黒板に書かれたメニューの中に、お手頃な価格のパスタランチを見つけた。
使えそうだ。
その先には、コンビニもあった。
ここも、使える。
程なく演芸場に着いた。
売店で弁当を売っていた。
デパートで買ったよりも、多少、割高だったが、驚くほどではない。
ロビーで「大阪助六」を食べ、午後1時の開演を待った。

前座一人を含め、出演者は総勢十人である。
講談、漫才、漫談、奇術、紙切りを、間に入れての落語だ。
お目当ての落語が、四席しかない。
もっとも、別の芸を挟むことで、新たな気持ちで落語が聴けるのかも知れない。

   *****

■雷門音助(落語)
前座さんである。
犬が人間に生まれ変わるストーリーは、何処かで聴いたことがある。
「勧進帳」で初めて弁慶を演じた染五郎のことを、「文字に例えると楷書の演技だが、立派にこなした」と、評した評論家がいる。
音助の落語に、楷書の芸を感じた。
でも、好感が持てる。

■神田松之亟(講談)
二つ目さんである。
わが息子よりも若い。
日本には、約800人の落語家が居るそうだ。
講談は、その十分の一にすぎない。
さらに、その半数が女性だという。
彼は、日本の男性講談師(好男子)の中で、一番若い。
幡随院長兵衛の一節を演じた。
顔面に汗を掻きながらの熱演である。
一生懸命さを感じた。
もっとも、粋人の友人に云わせると、「観客に一生懸命さを感じさせるのは、まだ未熟」らしい。

■ナイツ(漫才)・ピロキ(漫談)
テレビで、よく見かける。
双方に共通しているのは、言葉の不明瞭さである。
もっとも、ボソボソと喋るのが、面白いのかもしれない。
これは、補聴器の愛用者ゆえの感想だ。
所々ではあるが、他人が笑っているのに笑えないのは寂しい。

■雷門助六(落語)
当代は九代目で、吾喰楽と同い年である。
とにかく、酒を飲むしぐさが上手い。
管を巻く様は、本当に酒を飲んだかのようだ。
そして、落語が終わってから“かっぽれ”を踊った。
先代か先々代か知らないが、昔の助六も“かっぽれ”を踊っていた。
一門のお家芸かもしれない。

■三遊亭小遊三(落語)
長年、テレビの“笑点”に出演している。
枕は、本題と同じくらい長かった。
「目と目が合う。手と手が触れる。・・・」は、お馴染みの台詞だ。
枕も、本題も、面白い。
助六も同様だが、独演会で、じっくりと古典落語を聴いてみたい。

   *****

楽しい一日だった。
病み付きになりそうだ。
飲み会で遅くなった時は、何処かに泊まり、翌日、落語を聴いて帰る手もある。
終電に乗り遅れ、途中からタクシーに乗るよりも、よほど易くつく。

   *****

写真(2月9日撮影)
国立演芸場の玄関と演目



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喜美さんへ

吾喰楽さん

コメント、ありがとうございます。

気が付いた限り、1人だけ小学生がいました。
若い人も、ちらほらです。
学生と思しき青年もいました。
落語研究会の人かもしれません。
平日ということもあり、ほとんどは、同年代の人でした。

私にとって、食べることは、重要なことなんですよ。

2015/02/11 10:09:35

落伍

喜美さん

片凝らないし 周りを気にすることなく 普段着で行ける 気楽で私も好きです 最も見に行ったのは1回です
後はテレビかラジオ
次の時のレストランまで調べるとは
私とは違いますね 

2015/02/11 08:30:20

SOYOKAZEさんへ

吾喰楽さん

コメント、ありがとうございます。

年金生活ですから、出費がかさむ趣味は無理です。
でも、シルバー料金の演芸場は、いいですね〜

今朝は寝坊しました。
慌てて書いたので、推敲不足です。
様子がお解かり頂けたようで、安心しました。

2015/02/10 18:26:21

楽しみは・・

さん

吾喰楽さん こんばんは。

もう、私達シニアになったら、楽しみは多い方がよいと思います。
日々、些細なことでも喜びをみつけ、ワクワクしたり、夢中になれたら、最後の日が来ても、満足して「あぁ!いい人生だった」と言えそうです。
私も、楽しい事は、何でもやりたいですね。

観ていらした演目、よくわかりますよ。
吾喰楽さんらしい、とってもきちんとして優しいリポートでした。^^

2015/02/10 18:04:51

彩々さんへ

吾喰楽さん

こんにちは。

今日は、如何なさったのですか。
“よいしょ”しても、何も出ませんよ。

文章を考えるのは、ボケ防止に有効らしいですよ。
旺盛な好奇心もです。

遊びには、そのような定義があるのですか。
勉強になりました。

2015/02/10 16:25:43

遊び方の上手な方

彩々さん

ゴク兄いの男の料理Blogを毎日
拝見させていただいたり、小説を
書かれたり…たまに呑んだくれたり…

「真面目に遊ぶ男性」です。

好奇心旺盛で、邪心が無く、それでも
更に好奇心旺盛にして、垣根を飛び越え
新しい遊びに挑む。

これぞ、これからのシニア世代の星です!
これぞ、素敵な大人の遊び方です。

飽くなき好奇心こそ、心や身体に若さを
もたらす元なのでしょう。

「遊びとは?」と調べてみたら↓

遊び(あそび)とは、知能を有する動物が、生活的・生存上の実利の有無を問わず、心を満足させることを主たる目的として行うものである。
と、ありました。

2015/02/10 16:09:30

マリーさんへ

吾喰楽さん

コメント、ありがとうございます。

チケット代よりも、交通費の方が高いのです。
東京へ行ったついでだと、その点が助かります。

池袋、新宿、上野、浅草にも演芸場があります。
是非、ご覧ください。
楽しいですよ。

2015/02/10 15:17:11

Reiさんへ

吾喰楽さん

コメント、ありがとうございます。

楽しかったですよ。
こだわると云うか、勝手が解らないもので。

後ろの人が良く笑うにで、補聴器にその声が入り、うるさい位でした。

病み付きになりそうです。

2015/02/10 15:14:55

シシーマニアさんへ

吾喰楽さん

コメント、ありがとうございます。

昨日は、国立劇場の場所も確認してきました。
こちらは、半蔵門線の半蔵門駅の方が、少し近いようです。

今朝、慌てて書いたので、いささか推敲不足です。
でも、わくわく感が伝わったとしたら、嬉しいです。

2015/02/10 14:47:41

パトラッシュさんへ

吾喰楽さん

少し早く家を出て、来月の歌舞伎「髪結新三」のチケットを発券して来ました。

2015/02/10 14:35:06

病みつき

さん

念願の歌舞伎を見る前の落語を楽しんだようです。

飲み会で遅くなった時のことまで書いてあって、リピーター間違いないですね。

お昼を食べる場所も次回のためにチェックしているなんて吾喰楽さんらしいです。

歌舞伎は何度か見ていますが落語はまだなので今度行ってみたくなりました。

歌舞伎もぼそぼそは聞こえづらいかもしれません。

2015/02/10 13:58:01

寄席

Reiさん

楽しまれたようで、よかったですね!

その日の昼食にもこだわるところは、吾喰楽さんらしいです。

ナイツはよく知っています。
あの人たちの漫才は、寄席向きですね。

笑いは、体にもいいと言いますから、よい一日でしたね。
病みつきになりそうですか!?

2015/02/10 12:50:27

わくわく感が伝わってきました

シシーマニアさん

昔、歌舞伎座に通っていた頃のわくわく感を思い出しました。

演芸場の方がさらに庶民的ですよね。

一度、赤ん坊の娘をつれて親子三人、東京国際女子マラソンを沿道で見物した事があります。
寒い日でしたが、そのあと鈴本演芸場に入り、笑点で見覚えのある人達の落語を聞きながら、娘に離乳食を食べさせたりした、その雰囲気がすっかり気に入りました。
間もなく下の子が生まれてゆとりも無くなり、それ以後、演芸場には足を向けずに東京を離れたのは、返す返すも残念です・・。

2015/02/10 12:49:06

衝動買いならぬ

パトラッシュさん

「衝動寄席」ですね。
でも、結果オーライでよかったです。

2015/02/10 12:37:34

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