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第68回 昭和35年夏 もうすぐ夏休み 

2014年08月18日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


中学3年の7月、学期末のテストは、前回下がったテストの点が、上がるようにしなければと思っていた。
親しいしずちゃんや和子ちゃんと、最近親しくなったあっこちゃんとえみちゃんと一緒に、テスト前の復習の勉強をすることになった。
あっこちゃんとえみちゃんは、性格と表情が優しく可愛らしくて、和子ちゃんと似ていて好きになった。
3人は、他の人のことを決して悪く言わない。
私が時々「先生を嫌いだ。」と言った時、黙って聞くだけだ。
最近、大会社の一戸建ての社宅に住む2人の女子に、担任がしばしば話しかけるので、「あの2人、ひいきされちょるよ。」とひそひそ話が聞こえてきた。
何となく眺めていると、担任が2人をひいきしている様にも思える。
「担任も2人も、ひいきだからいやじゃね。」と誰かが言った。
「担任が勝手にひいきしちょるかもしれんけど、2人がひいきされようとしちょるんじゃあないから、悪うないと思うよ。」と、私は思ったことを言った。
その時、あっこちゃんとえみちゃんは「私もそう思うよ。」と、はっきり声に出して同調した。
私は、ますます2人を好きになったし、一緒にいると心が和む。
4人が復習を付き合ってくれたので、私は2年の時と同じ位の点数にもどった。
と言っても、100点が取れるわけではなく、通知表の点が一番良い5点ではないが、私も父母もそれでよいと思っている。
夏休み前、補習授業のプリントが配られた。
高校受験のために、夏休み中、ほとんどの午前中に補習があるようだ。
テスト前に復習した事を、暑い中又復習することは、私にとっては苦痛だから、少し憂鬱になった。
そんな時、中学卒業後の進路のことが話題になる。
親しいしずちゃんとあっこちゃんは、「私達2人は、体が弱いので、高校には行かんのよ。補習授業も受けんのよ。」
「洋裁学校に行こうかと思っちょるんよ。」とも言う、
「私は、看護学校に行こうと思っちょるんよ。午後学校に行って、午前中は病院の手伝いをして、家計を助けるんよ。」とよう子さん。
仕方なくではなく、よう子さんは自分からすすんで決めたという感じだ。
みんなは、その堂々とした姿に、「すごいわ!」と感心した声で言った。
家に帰って、「よう子さんは、看護学校に行くんじゃって。私は、看護婦にはなれん気がするわ。」と母に話した。
「そうじゃね。怪我の治療をしちょったら、また、怪我をさせてしまうかもしれんね。」と笑いながら言う。
本当にそうだ、包帯を巻いてはさみを使う時、特に危ない。
少し前に、はさみで自分の手を切ったことがあるのだから。
しずちゃんやあっこちゃんやよう子さんのことを思いつつ、私も将来のことを考えねばと思い始めた。

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