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北軽井沢 虹の街 爽やかな風
サイクリングの風景
2012年06月25日
テーマ:テーマ無し
ルオムの森を出て、私は躊躇なく往路の逆方向へとペダルをこいだ、というより道は下り坂なので車輪は難なく転がっていった。少し離れて見るルオムの森は、そこだけが別世界のように見える。木々の間からかすかに建物が確認できるが、何も知らずに眺めただけでは建物は目に入らないだろう。そして、しばらく進むと国道146号に出た。
浅間山を背にして走る方向はほぼ北へ向いている。道はどこまでも下り坂で、自転車は勝手に転がっていく。心地よい風を感じながら、心の隅では「これはやばい」と感じていた。何故なら、苦労せずこのまま転がっていたら、その後が怖くなったのだ。左にあった中学校を通り過ぎると、大きな舗装道路があり、自動車工場が見えた。私は直感的に左折してその道を進んだ。
浅間山を背にして走ると下り坂だが、左折するとほぼ平坦地で浅間山は左手に見える。すなわちおおむね西へ向かっていることになる。どこからでも目に入る浅間山は、格好の方向指示器になる。頭の中には、すでに自分勝手な地図が出来上がり、ペダルを踏みながら美しい景色に爽快な気分となっていく。帰宅して読んだ安斉重雄の「バクのあくび」には、彼の故郷・福島での幼い頃が綴られているが、信夫山の中腹に住んでいた彼は、木や草の香りをかぎながら、ぶらぶらと歩いていたとき、小鳥がよく、水たまりで水浴びをするのに出会い、それが終わるまでじっと待ったという。そして、雑木林に雪がうっすらと積もった風景といったら、泣きたいほどの美しさだった。ただ、ただ「すごい、いい!」という言葉しか出てこない。と語っているが、美しいものに出会うと体が震える、感動とはこういうものかと思った、とその時の思い出を話している。
私はここに来て、おそらく彼が感じたと同じような経験をしたが、そのとき65歳だった私の心は完全に少年時代に溯っていた。
自転車をこぎながら目に入る風景に心が躍る。ここは日本じゃない、いや、これこそが日本の風景に違いないと、時折足を止めてカメラを覗く。キャベツ、白菜、トウモロコシ、モロッコインゲンなどの農産物の中に道がある。左折すると正面に浅間山が見え、道は上り坂になる。ゆっくりと進む時速は7キロくらい。車と出会うこともなく、時折遠くの畑の中に働く人を確認できるくらいで、声をかけるには遠すぎて、誰とも会話をすることはなく、ひたすら自転車をこいだ。
そして、右折、左折を何度か繰り返していると、予想通り県道・北軽井沢大笹線に出た。
そこは、あのホテル1130の前の長い上り坂の近くだった。帰路は上り坂が多く、体は汗ばんでいたが、最後の登りで汗がどっと噴き出てくる。ギアを切りかえてゆっくりと進めば、足腰の負担は少ないが、それでも、この2㎞の登りは少々こたえるのだ。しかし、ここを登りきると後はスイスイと軽やかに進む。このあたりはいつもの見慣れた風景で、こぎながら心はもう風景とオサラバし、頭の中は、ビールの泡で満たされてくる。スピードも上がり、時速は23キロに跳ね上がる。そして、往復24㎞、1時間45分のサイクリングは終わった。
いつもというわけではないが、長年連れ添っていると心が通じるときもある。夕食の食卓には婿殿が贈ってくれた冷えたビールCOEDOがあった。今日は漆黒という黒ビール。冷たい泡が喉もとを通過して空っぽの胃袋で跳ね返る。何という旨さ、何という至福の時か。
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