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作品名 試してみる?の話(3) 評価 評価(1)
タイトル 試してみる?の話(3)
投稿者 比呂よし 投稿日 2013/12/06 09:59:59

+++比べたら、満員電車の狭い中でヤル男の気が
知れない。だから最初に、授業料は「こりゃ、安い
!」と言った。

(3)

 なお、こっちは絶対に練習台に志願しない事にし
ている。骨張った70の「干物」を揉んで、誰が楽
しかろうよ。第一、揉む手に骨が刺さるではない
か!

 本題に戻る。
 うら若い練習台を相手に、わくわくする練習であ
っても、私はまるでわくわくしない風な真面目腐っ
た顔を作って背中をマッサージする。 練習中に時々
故意か偶然か、あと一歩という処まで、掛けてある
タオルの裾がめくれる時がある。いや、困ったもの
であるーーー。

 或る日、やれ嬉しや、たまたま「勝手に」少しめ
くれた。おかしいなーーー、室内に扇風機も無いの
に、風流な風でも吹いたのだろうか? 勝手にめく
れた場合に限り、私は元通りに直さない事にしてい
る。

 風のお陰で判ったのは、練習台は適度に肉付きが
よくツヤもある。生きがいいのだ。めくれなかった
部分を得意な想像力で補うと、重要な部分は適切に
身が引き締まり、必要な部分にはちゃんと肉が盛り
上っている。これはもう半端な風情ではなく、わく
わくする域を越えているのだ。

 しかも、小骨が少ないからマッサージの手に刺さ
らない。味も良さそうなので直ぐタオルを剥いて、
醤油を掛けて食べてしまいたい位である。私の先祖
が、元々南方系の食人種だったせいでもある。

 たまには四十代の女性も練習台になってくれる。こ
れも悪くないどころか、もっと深い楽しみがある。
それはちょうど、大腿筋という太モモ中心のマッサ
ージの教程であった。うら若き四十代は私の為にベ
ッドにうつ伏せに寝転がってくれた。

 けれども、当日の指圧の重要箇所でありながら、
私の両手は彼女の太モモまで到達せずに、その手前
の膝の裏辺りでモソモソと落ち着きを失ってしまっ
た。手がポイントを外してうろたえたのは、いかに
痴漢ゴッコと言えども、背中なら未だ許せるが「太
もも」の裏だけは申し訳ないと思った。
 思いの外「我が手」は、「やは肌の熱き血潮に触
れもみで、悲しからずや道を説く君ーー」の通り
に、人格者肌だったのだ。

 ところがどっこい、人生と女は単純ではない。
40代の練習台は、流石に人生の甘みも辛味部分も、
充分知っている。「我が手」の逡巡振りを敏感に察
知した練習台は、こっちの人格者肌を無視して大胆
であった。

 うつ伏せになったまま、器用に下から手が伸びて
来たと思うや、我が手首はむんずと力強い握力で掴
まれた。そのままいきなり、ずいと太ももの奥まで
持って行かれそうになったのである。

 顔が赤らんで思わず「我が手」が強く抵抗するや、
一部始終を周りで見学していた他の生徒らが、ゴク
リと生唾を呑んだ。すぐさま「ウッソー!」と手を
叩いて囃し立てた。メダカの学校でも大人の学校で
も、イジメは立派に存在する。後で、教育委員会へ
報告ておこう。

(つづく)

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