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作品名 アカンタレの話(47) 評価 評価(1)
タイトル アカンタレの話(47)
投稿者 比呂よし 投稿日 2014/02/11 09:09:48

+++何処からかボールが飛んでき
て、太鼓に当って音を出してくれる棚
ボタの幸運なんて、人生にありはし
ない。決して信じないことである。

47/50.社長になる方法(その三)

 第三にもっと手っ取り早いのは、
(私の場合がそうであったように)セ
ールスマンになる事である。腕を磨
いて、独立することだ。

 世の中に不公平は多いが、セールス
の世界は真に実力のみが問われる公平
な世界。面白い事に、これも学歴が関
係しない。

 学校の入学試験みたいに、評価は点
数と成績だけ。上役にゴマをする必要
も無く、勝ち負けがはっきりしてい
て、生活に張りと活気を与えてくれる
から、私は好きである。何より、「自
分は出世しない」とへんに悩まなくて
よい。

 けれども、ここで大事なのは、ソニ
ーやトヨタなど企業ブランドの力で商
品が「売れる」営業社員ではなく、個
人の力で「売る」職人タイプのセール
スマンになるのがポイント。だからと
言って個々の消費者相手ではなく、法
人相手に売るセールスが良い。それ
で、修練を積む。

 安易に考えては道を間違えるから念
を入れるが、セールスだからと言っ
ても、物を「売る」のと「売れる」の
は百八十度違う。私はこの区別にやか
ましい。 
 前者の「物を売る」には、職人とし
て身に付けた「技と知恵」が必要で
あり、仮に転職して何処の世界へ押し
出しても通用する力(わざ)の事で
ある。

 他方で、後者の「売れる」の方は自
らの非力は棚に上げて、「商品力」の
有る無しで物は「売れる」ものですー
ーーとうそぶく他力本願のやからで、
これはいけない。
 他社では通用しないから、「本当
の力」ではない。長年セールスマン稼
業をやっている人でも、大概これを勘
違いしている。

 起業しようと考えても、自分に「売
る知恵と力」が無ければ社長になる
のは、早い段階で諦めた方がいい。会
社を作っても続かなければ意味が無
いからだ。「売る力」があれば経営者
になってもポイントが判っているか
ら、会社が少々傾き掛けても、乗り切
れるものである。

 日本には大小約255万社の会社が
ある。この中で黒字会社は僅か三割。
あっと言う間にJALも潰れた・ダイエー
も潰れたように、会社の経営なんて大
小に拘わらず、しょっちゅう傾き掛け
るものである。

 その証拠に新たに起業する会社の
35%が長続き出来ず三年以内に消
える。十年続くのは百社に六社、二十
年続くのは千社に三社。三十年なら一
万社にニ・五社(2005年国税庁調べ)。

 しかも一度も赤字を出さず三十年利
益を上げ続けられるのは、数万社に一
つ有るか無いかだろう。これが世の実
態であるのも覚えておくべきだ。
 因みに小さな会社だが、ウチは今年
で三十周年。設立初年度から赤字を出
した事がないから、税務署から褒めら
れて面目を施した。

     *

 生まれ育った潮見台が如何に不便な
町であったかの立証を含めて、カルシ
ウム注射の内幕も暴露したし、山の精
に絡まれる話になったりしながら、初
恋の女の危険性も充分に指摘した。

 ついでの事に、社長のなり方も教
えた。「大人のメルヘン」は、これで
お仕舞いである。しかしながら、女が
絡んだ多少の蛇足があるーーー。
(つづく)

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