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強姦魔にロシア民謡を「白昼の通り魔」 

2022年10月18日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


「白昼の通り魔」 1966年 日本 大島渚監督の「白昼の通り魔」を見た。人間の中に潜む悪魔と不思議な生命力とエロチシズムを描いた問題作だという。dtvにて過去の大島渚監督の昔の作品群が見られる事がわかったので、チャンスと思ってみた。昭和32年頃、関西各地で、暴行、窃盗、殺人を繰り返した凶悪犯・桂正義の実際の事件を基に、武田泰淳(たけだ たいじゅん)が篠崎シノというヒロインを創作して描いた短編の映画化。桂正義の犯罪は凶悪で、昭和33年に神戸地方裁判所にて死刑がくだされている。 この映画には大島渚監督の奥さんでもある女優・小山明子が中学校の教師役で出演している。大島渚と言えば、テレビ番組でよく意見の異なる人にどなっているイメージがあり、さぞかし家ではえばってて扱いづらいだろうと想像していた。奥さんの小山明子は、大島渚のことをこのように表現している。世間一般には厳格なイメージのある大島監督だが、家で声を荒らげたことはなかった。酒は飲んでも、女やギャンブルに興じることも一切なし。男は飲んで帰ってこられるが、女性はそうはいかないからと、仕事から帰ってきた小山の話を毎日1時間でも2時間でも聞いてくれたという。「妻として、悲しい思いをさせられたことが一度もないのよ」(小山)※女性セブン2014年5月1日号この映画、佐藤慶の強姦魔の役が実にはまっていて、冒頭のドアを少し開けてじっとシノの洗濯をしている様子をなめるように盗み見している様子が真にせまっている。そしてシノをナイフで部屋の隅まで追い詰めているときに、なぜか彼女はロシア民謡の「ともしび」を歌いだす。「♪変わらぬ誓いを 胸に秘めて 祖国の灯のため 闘わん」「よせ!」という男の静止の声も無視して歌い続ける。「♪若きますらおの 赤くもゆる こがねのともしび とわに消えず」ここは唐突すぎて笑ってしまうほど。強姦犯人とシノは昔に関係のあった仲であることがわかる。この物語でどうもぴんとこなかったのが、強姦魔が中学の女教師の夫となったところ。なぜに女教師が彼に惹かれたかが、説明不足だった。ここは創作なのかと思ったら実際の事件でも、教師が奥さんだったということがわかった。モデルとなった実際の犯人・桂正義は小学生の頃から非行少年と交流し学業をさぼり、教師に反抗し、仲間とともに盗みや女生徒へのいたずらをした。十四才の頃には酒を飲み始め、近隣の年上の女と関係して性交を覚え、卒業後は家業の土木仕事の手伝をしていた。また十八才の頃、仲間の者とともに窃盗をして岩国少年刑務所に収容された。そして、昭和十八年一月(二十才)、徴兵され、昭和二十一年四月初(二十三才)復員して本籍地の自宅に帰つた。その頃、彼の身持を案じた両親のすすめで、前科を隠し、Y(当時二十才)と見合をした。正義は元来娼婦型の女が好きであつたのに、Yは理性的で勝気なところがあり、戦時中に高等女学校を卒業して一時小学校の教員をしていたこともあるまじめな女性だった。正義は自分のヤクザ的な性格と対比してYに劣等感を覚えた。Yとの結婚には乗気ではなかったが、当時田一町五反を買い入れ、百姓になることを考えていたところであったので、両親のすすめるままに、同年五月、結婚したYは、結婚についての知識がなかつたため、その初夜に驚いて母屋に居た正義の母のところに逃げこんだことなどから、夫としての自分に愛情がないと判断した。また、飲酒、無頼性が相まつて、次第に家庭をかえりみず、酒、賭博、女買いにふけるようになった。特にYが妊娠してからはその放とうが激しく、家財はもちろん牛まで売り払い、家に居れなくなって、友人とともに路上強盗をした。昭和二十三年六月五日(二十五才)、山口地方裁判所で懲役三年に処せられる。その後、延々と強姦と強盗を繰り返す。この映画は、大島渚風に実際の事件をかなりアレンジしたと思われ、そこの作り込みが見えてしまうのが少々残念。でも、思ったより面白く観れたし、改めて佐藤慶の役者としての悪役の上手さにしびれる。さすが「あまり常識的な役には魅力を感じません。犯罪者とか権力者のほうが食指が動きますね」と言っていただけのことはある。 参照:神戸地方裁判所 昭和33年(わ)253号 判決 被告人 桂正義 

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