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敏洋’s 昭和の恋物語り
水たまりの中の青空 〜第二部〜(百四十四)
2021年10月06日
テーマ:テーマ無し
「おいおい、褒めてるんだぞ。
いいか、お前を、坊ちゃんと呼ぶということはだ、お前を一段上の人間と考える素地があるということだ。
残念ながら、今のお前はまだ半人前だ。他の者に認められていないだろう。
今回のプロジェクト入りで、少しは認めさせることができたろうが、今日の体たらくでは……。
とに角酒を飲め。赤坂でも銀座でも、一流の店に行け。
一人じゃないぞ、大勢を連れ歩け。今は仕方がない、金をどんどん遣え。
軍資金の心配はするな。お前のお父さんから、たっぷり回ってくる。
そうだな、週一回は行け。いいな、私の贔屓の店を教えてやる。
格の違いを、見せ付けるんだ。
それから、女も抱け。女将連中には連絡をしておいてやる。
一流の女を抱け。場末の女はいかんぞ。間違っても、あの小娘はいかん、いいな!」
語気鋭く、源之助の厳命が下った。反抗を許さぬ、強い言葉だった。
「でも、叔父さん、、、小夜子さんと誓い合った仲でして……」
モゴモゴと、囁くような小さな声を出した正三だった。
「なにっ!まさか契りを結んだのか?」
気色ばむ源之助は、葉巻を灰皿に押しつぶした。
「い、いえ、、、その、接吻を、、、」
「ふん。そんなものは、いい。まあ、契りを交わしていたとしても、そんなもの!」と、吐き捨てるように言う源之助だった。
「とに角だ、もう会うことはまかりならん。どうなんだ。会ったのか、連絡はとったのか」
「いえ、、、」
「こうしょう。幾ばくかの金員を与えてだな、一筆書かせよう。
素人ではいかんな。やはり、弁護士を使うか。で、居場所は分かっているのか」
「いえ、それが……」
「まあいい、私の方で調べよう」
父親に逆らえない正三だった、ましてや叔父には絶対服従の正三だった。
加藤宅での下宿を隠すのが、精一杯の抵抗だった。
「上京して、どのくらいだ?ふん、今ごろはどこぞの不逞の輩の女になっているかもしれんな」
源之助が去り際に発した捨てぜりふに、正三の動揺は激しかった。
“まさか、、、小夜子さんに限って。でも、何の連絡もしていないし。
いやいや、大丈夫だ。あの小夜子さんが、そんなことあるわけないさ。
けれども、この俺ときたら、、、。しかしだ、女と寝たといっても、正気じゃなかったんだから。
何しろ、酒に酔ってのことだし。裏切ったなんて、大げさなものじゃないんだ。
いや、枕代わりに抱いたということなんだ。
だから裏切ってはいない”などと、官吏特有の屁理屈を考え出した。
源之助は佐伯本家へ連絡を取り、小夜子の居場所を調べるよう要請した。
佐伯家からすぐさま茂作の本家へ問い合わせがあり、渋る茂作だったが、本家からの詰問には答えざるを得なかった。
その翌日、省内の源之助の元に連絡が入った。
「ふむ、ふむ。加藤ですな? で、どこへの勤め人ですかな?
ほう、ほう、分かりました。なあに、大丈夫です。
正三にはきつく申し付けました。もう、一切会わせませんぞ。
小夜子なる娘にも、もちろん因果をふくめさせます。はい、こ安心ください」
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