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敏洋’s 昭和の恋物語り
敬愛する 芥川龍之介 を語る (八)
2020年07月30日
テーマ:テーマ無し
芥川の内面の苦しみは、そんな初期の頃の『蜜柑』のような心境を、だんだん許さなくなってきた。
後期の作品には、もう「軽やかさ・若々しさ・初々しい感傷」は消えてしまった。
『河童』という作品により、このような娑婆苦に苦しめられている自分自身の姿を描き、厭世的傾向を表した。
又『西方の人』は、罪悪感や被害感に苦しみ始めた芥川が、何かに取りすがらずにはいられない一心から求めた「求道」の産物である。
「彼は神を力にした中世期の人々に美しさをかんじた。
しかし、神を信ずることはー神の愛を信ずることは到底できなかった。」
芥川の理智が、英雄否定の心境が、キリストを神として見ることを拒否したのである。
そして又、ここに漱石の悩んだ近代人的要素も潜在的にあると思う。
ゆとりのなくなった芥川には、最早、テーマもフィクションも問題ではなくなり「地獄よりも地獄的」な人生に生きてゆかねばならぬ自分自身の苦悩を、何ものかに向かって吐露せざるを得なくなったのである。
母の狂気の遺伝・経済的苦痛・社会的不安・芸術的行き詰まり、これらの中に生きた彼にとって、まさに「人生は、地獄よりも地獄的」であったのである。
これらのことから芥川の作品は、悲愴な激情や異常な感覚を示すものとなり、作品にストーリーは無くなり、内面的な心の旋律のみを伝えるだけのものとなった。
文体は独白に近い告白体のものとなった。
内容も病的な精神世界のみを示すものとなった。
『歯車』は、その傑作とされている。
『河童』の作品中に、当時の彼を端的に描いた箇所がある。
「年の若い河童が一匹、両親らしい河童を始め……息も絶え絶えに歩いている」
芥川の、自嘲的な自画像である。
そして又、人間社会に対する抗議である。
その当時の芥川には、「精神病者の方が正常人より却って進化した人間なんだ」という考えがあったらしい。
これは芥川の目から見た、狂った社会に対する、僅かな反抗なのであろう。
([狂ぃ人の世界]は、こから始まりました)
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