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むぅびぃ・とりっぷ
意外だったあるシスターの最後の姿
2020年05月30日
テーマ:テーマ無し
本屋さんで、何気に開いたページの文章の中に気持が深く入ってしまうということが、ある。看護婦経験七年目の内科病棟で働く宮子あずささんが書いた「看護婦がみつめた人間が死ぬということ」という本は、死や生に書かれた多くの頭デッカチな事を書いた本を蹴り飛ばすくらいの生々しい生きることに執着する人間の姿が描かれている。一つ一つのエピソードが、とにかく心に残るのだけど、その中でもぼくに特にショックを与えてくれたエピソードを紹介したい。著者の宮子あずささんが就職した当初からいだいていた疑問は、「信仰は、死への恐れを癒すか」ということだった。病院にはさまざまな信仰を持った患者さんが入ってきて、その患者さんを見れば見るほど疑問は深まるばかりだった。なぜなら、お坊さんやシスターといった、宗教において人を教え導く側の人であっても、心穏やかに人生の終わりを迎えるとは限らないことを知ったからだ。そのことを痛感させられた八十代前半のあるシスターのお話。彼女は若い時期から修道院での生活を始め、その修道院ではトップの位置におられる方。肺がんがいよいよ悪くなり、今回は最後の時を過ごすための入院だった。彼女はぐったりと寝たきりで言葉も切れ切れだった。その日から看護婦たちは嵐のように鳴らされるナースコールに泣かされることになる。「ちょっと、お水を飲ませてちょうだい。そんなぬるいのはだめ。水をいっぱい入れて」「ちょっと、暑いから毛布を取ってちょうだい」「ちょっと、おしぼりで顔をふいてちょうだい」これらの頼みはもっともなことばかりなのだが、どうにもつらかったのは彼女の言い方。「ちょっと・・・・・・・して」と言うときのその言い方は、まるで召使いへの命令そのもの。そして最後に受ける言葉は”ありがとう”ではなく”よし”という、お許しの言葉に他ならなかった。主治医が看護婦とともに彼女のもとを訪れたある朝、少し開いた窓から風が入って、カーテンがかすかに揺れていた。それを見て彼女は、「ちょっと、カーテンが揺れないように」と言う。看護婦が窓を閉めると、今度は「ちょっと窓を閉めないように」と言う。とまどう看護婦を横目でちらっと見た彼女はとどめにこう言った。「ちょっと、頭を使って」言われた看護婦のほうは怒りを抑えながらもカーテンを窓に絆創膏(ばんそうこう)ではりつけたという。この時、主治医が彼女をたしなめてくれた。「シスター、あなたには感謝の気持ちはないのですか」しかし、カーテン事件のあとも、彼女の態度は全く変わらなかった。そのうち、彼女は話すことが大儀になり、面会に来る後輩に頼んで、部屋中に頼み事のメモを貼らせた。”病院のおかずは好まないので、おかゆに冷蔵庫の粒うにをのせてください””急いで食べられないので、ゆっくりとご飯を一口ずつ食べさせてください””他にもお願いしたいことがあるかもしれないので、部屋を出るときは、必ず他に用件がないか確認してから出ていってください”看護婦たちが入っていくと彼女は、”言わずともわかれ”とばかりに視線をメモのほうにやり、ほとんど口をきこうともしなかった。そしてある日、彼女があごをしゃくって用を言いつけた時、宮子さんの堪忍袋の緒が切れた。怒りを通り越しておきれた、という気持もありこう彼女に尋ねていた。「神様はあなたを力づけてくれているのでしょうか」と。この問いに彼女はこう言い切った。「神様は、私が死を前にして気弱になって、どんなに醜いおのれをさらそうと、私を許し、天国に迎え入れてくれるのです」その答えを口にする時に至福の表情をかすかに見せていたことに宮子さんは気づいた。結局彼女は、誰にもみとられずに亡くなり、遺体は遺言通り、純白のシスターの衣装に包まれたという。しかし、実に都合のいい利己的な神様との付き合い方があったものである。シスターの言葉の”どんなに醜いおのれをさらそうと私を許し”の言葉を読んだとき、一種の戦慄を覚えたものだ。 宮子さんは、このエピソードの最後に『あまり信仰にも幻想を持たないようにしようと最近では思うようになりました。』と、結んでいる。なるほど・・・・・・と、思うものの宗教に人生の多くの時間を割いた人の結果がこれでは、少々淋しい気持ちにならざるを得ないものだ。
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