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独りディナー
自由きままな、一人旅
2019年03月28日
テーマ:ウィーン
今回の旅行は、夜に音楽鑑賞、という変則的な生活だった。
前回のスペイン旅行は、昼間はひたすら歩き、夜は飲みに出かけるという、中々健康的な毎日だったけれど。
オペラが終わると、10時過ぎになってしまうので、それから飲みに出かけるには、今回は余りに寒かった。
誰かつれが居れば、それでも何処かに早く入ろう!といった意欲も出るのだろうけれど・・。
時差ボケもあるし、ホテルにさっさと帰って、早々に寝てしまう。
そして、朝早く目覚めて、娘とLINEなどしているうちに、夜が明けてくる。
朝食は、スーパーのデリカッテッセンで仕入れたものを、お部屋で外を眺めながらささやかに。
チキンやポークを薄切りにしてフライにしたものを、パンに挟んで貰ったものや、イチゴやジュースなど。
乾燥しているせいか、のどが渇いて、ジュースやお水は随分仕入れたけれど、朝5時から夜11時まで開いている大きなスーパーが駅の構内にあったのはとてもラッキーだった。
地下鉄を降りて、ホテルへ向かう途中にあるのだから・・。
ある日は、朝ホテルを出ると外が寒くて、丁度目の前に停まったバスに乗り込んだ。
何処へ向かっているのか、見当は付かないけれど、郊外へ走っていることは確かである。
私好みの、終点まで行って、又戻ってくる、コース。
行きがけは、ガラガラだったけれど、帰りは通勤時間にぶつかったらしく、結構混んでいた。
その日は、次から次へと、バスや路面電車を乗り継いだ。
住んでいたのは40年以上前なのに、思いの外土地勘が残って居て、停留所の名前からおぼろげに、現在地は想像がついて、これは楽しかった。
しかし、駅の名前は間違いやすくて、丁度札幌から空港へ行く時、千歳駅で降りてしまうと空港からほど遠く、千歳空港前駅まで行って降りなくてはいけないのに、よく似ている。
でも、昼間は時間がたっぷりあるので、乗り換えそのものが楽しかった。
列車の行き先や、使用するプラットホームが、解りにくいし、駅員さんの数も少ないので、大いに迷ったことも無いことは無い。
でも、その時は、ホームで待っていた人達に訊いてみると、彼らも迷っているらしく、みんなで迷えば怖くない精神である。
まあ、基本的にウィーンの街は解りやすいのである。
夜に予定のない日、郊外電車に一時間位乗って、ベートーヴェンが第九シンフォニーを書いたという、バーデンという温泉町へ行った。
小さな街なりに、当時は貴族達の保養地だったそうで、静かな美しい街である。
私にとって、時間的ゆとりがあれば、必ず訪れる大好きな場所なのだ。
ところが、此処のベートーヴェンハウスも、すっかり内装が綺麗になっていて、現在は外装が工事中で、探すのにちょっと苦労した。
でも、その辺を歩いているおばあさんと男の子に訊いてみたら、勿論よく知っていて、男の子は建物まで付いてきてくれた。
来年は、生誕250年だからそれを見越してるのだろう。
帰り道、ちょっと市場風の場所があって、居酒屋も数件あったので、その中の一軒に入ってみた。
其処はバーだったらしく、ドアを開けると私の目の前でオーナーらしきおじさんが、ふさぐ様に立っている。
「グリュース・ゴット!(こんにちは)」と、言ってみると、やっと中に入れてくれた。
常連らしき、他のお客さん達と、私の方をちらちら眺めて、アェイ感満載である。
「白ワインを、グラスで」と頼むと、冷蔵庫からボトルを出して注いでくれた。
きりっと冷えていて、今回の旅行で一番の味だった。
居心地は悪かったけれど、加齢、故か、
「もう一杯、お願いします!」と、華麗に追加(笑い)
ほろ酔い気分で電車乗り場へ戻り、出発間際のウィーン行きの電車に飛び乗った。
結局、切符を買いそびれて、無銭乗車になってしまった。
写真は、ベートーヴェンハウス内の、彼の机です。
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