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独りディナー
ウィーンへ!
2018年11月28日
テーマ:シニアライフ
気持ちにゆとりが出てきたので、来春のウィーン行きの準備を始めた。
つまり、チケットの予約である。
目的は、ウィーンフィルの演奏会と、オペラ。
オペラは勿論、演目は随時変わるけれど、殆ど一年中公演しているので、早めに予約をすればまずチケット購入はできる。
今回は、モーツァルトの「フィガロの結婚」と「ドン・ジョバンニ」に決めて、こちらは目出度く購入できた。
問題は、ウィーンフィルである。
年に10回くらいある定期公演は、既に全席会員達が独占していて、一般には発売しないのだ。
会員達の中で、今回は行けなくなったから、とキャンセルされたチケットを、ウィーンフィルの事務所が売り出すだけだ。
土・日にある演奏会のキャンセルチケットは、その週の月曜日に売り出される。
キャンセルチケットを買う為には、一週間前には現地に居なくてはならない、と言うわけだ。
忙しい旅人には厳しい話だから、そこでプレミアム券の出番となる。
私は20年くらい前に、毎年ウィーンへ出かけていたが、飛行機やホテルの予約はじめ、チケットに関しても自分で手配するのが、我が家の鉄則であった。
家族達に協力して貰って、半月も家を空けるのだから・・。
最初は、オペラ座に、手紙を書いた。
私自身、メールを始めたばかりだったが、オペラ座はまだネットを導入していないようだった。
楽友協会ホールには、メールを出した。
殆ど何も知らない私に、ホールからは個人名で返事が来た。
「ウィーンフィルの定期公演は、一般売り出しを行わないけれど、当ホール主催の演奏会は○月○日から売り出します」
と、予約方法まで書いてくれたと思う。
幸い、教えていた音大の教師仲間に先達も居て、色々ご指導戴いた。
忘れもしない。
オペラ座は、ワーグナーの「ローエングリーン」と「フィガロの結婚」それにプッチーニの「トゥーランドット」のチケットを、手紙で予約した。
チケットが予約できた段階で、飛行機とホテルを決めた。
幸いに、昔教えていた卒業生がオーストリアのグラーツ音楽院に留学中だったので、メールで色々様子が訊けたのも有り難かった。
そして、久々に聴いたウィーンフィル。
一曲目が、サイモン・ラトルの指揮で、リヒヤルト・シュトラウス、の「メタモルフォーゼン」だった。
それはまるで、自分が音響箱の中に居て、柔らかな弦の響きに包まれ、一緒に溶け合っていくかの様であった。
二曲目のピアノ協奏曲、モーツァルトの「ジュノム」!
最初の出だしが特に、ピアニストのブレンドルと、指揮者のラトルが、お互い心の中で「やったぜ!」と握手しているかの様に、息の合った演奏だった。
若い日々に聴いていたウィーンフィルだけど、年齢を経て改めて聴くとは、こういう事ことなのか、とつくづく思った。
そして、あれから、病みつきになったのだ。
オペラが終わった後、一緒に観ていた教え子と二人、学生時代によく行っていたレストランで、食事をしていたら。
何と片隅の席では、さっきまで「トゥーランドット」の主役を歌っていたヒロインが、ひっそりと食事をしているのだった。
この、身の丈感。
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実は
私達は、閉店間際までいたのですが、たまたまコート掛けが、その方達(二人連れでした)のテーブルのすぐ横にあったのです。
あちらも、丁度閉店だからと、立ち上がった処だったので、何時もの「思わず、声を」かけてしまいました。
「トゥーランドット、ですか?」
「イエス」
「オー!素晴らしかったですね」と言って、ハグしたのです。
彼方にとっては、サインとハグと、どちらが迷惑だったか、わかりませんね。
2018/11/28 16:37:35
なるほど……
そこで、サインをねだったりしないところが、
いかにも貴女らしい。
「きゃー」とばかりに声を上げ、レストランの静謐を乱してしまうのが、日本人のやりそうなことなのですが……
2018/11/28 09:30:39