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敏洋’s 昭和の恋物語り

ごめんね…… (十九) 

2018年05月02日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 新幹線より速かった。
どんどん速くなって、息もできないくらいなんだ。
でも、ちっとも苦しくなかった。
でね、突然に、ずんと体が重くなって、ふーって息をして目を開けたら、お母さんがいた。
わーわー泣いて、ぼくを何度も何度も叩くお母さんがいた。
でも痛くなかった、嬉しかった。

 昨日ね、また声が聞こえたんだ。
「もういいのよ、聡くん。
もう頑張らなくても、いいんですよ。
待ってますからね」

 あれ、天使の声だよ。きっとそうだ。
だって、すごく優しくて暖かい声だったもん。
でね、その後にね、別の声が聞こえてきた。

「心底辛かったろう、心が痛かったろう。
もういい。もう終わりにしていいんだ」
そんな声が聞こえてきたんだ。神様のお許しをいただいたんだ。

 だからね、休ませてもらうことにした。
大丈夫。今度目が覚めたら、きっと違うぼくになっているから。
元気な強い子になっているから。
 そしたらまた、ぼくの親友になってくれるかい?

 新一くん、ごめん。
そして、ありがとう。 松田 聡

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