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昭和2年生まれの航海日誌

晩秋のうぐいすに甦る 

2011年04月22日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



     遅れ咲きのサトザクラを眺めて森に入った。その途端
    頭上の梢から、ホ―ホケキョーホ―ホケキョ ケキョ
    ケキョ。

     足を止めて、聴くとみごとな旋律を奏でている。
    いつの間にか、初老のご婦人が傍にきておられた。
    歩道も通勤者が多勢集まって、ホ―ホケキョに耳を
    かたむけている。

     うぐいすは唄い続けた。
    「もう、会社に遅れるからそれでよい」と、勝手を言うと
    チラッと茶褐色の姿をみせて他へ移って行った。

     森を出て、皐月のところへ来た時、先程のご婦人が、
    「一回りされたのですか」
    「はい、うぐいすはよかったですね」
    「小学校の唱歌みたい」
    どっと笑って顔を見合わせた。

     一昨年、去年も一声きいただけ、今年は聞かれ仕舞に
    なってしまうと思っていた。報われた。
    今日は長いたのしい一日になる。

     小鳥からも人間はパワーをもらわなくてはなるまい。
    

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