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悠々閑々に暮らす身辺雑記
あの日以来、陳瞬臣作品を読む。
2011年04月06日
テーマ:テーマ無し
あの日以来、落ち着かない。
正体の分からない不安の日々を過ごしている。
長編物の本を読むことで気持ちを鎮めることにした。
3人の作家による対話集です。
司馬遼太郎=日本 、陳瞬臣=中国 、金達寿=朝鮮
該博の知識を持つ3人の作家が、透徹の史眼で東アジアの歴史と文化を語っています。
今回、陳瞬臣氏の作品選びを、尊敬する司馬遼太郎氏の書評を参考にする。
by『歴史の交差路』鼎談を終えて(講談社文庫)
通史を書く困難さというものは、なまなかな精神に理解できるものではない。文明が見えてくるという、高度な眼と文明の骨格と内臓の中を知的に歩きぬくだけでなく、もう一度再構成するという芸術的(多量に少年の心を要する)作業なのである。その上で、最後に「表現」しなければならない。「表現」という、人間が人間にうけわたす高貴な魔術を経なければ、歴史などは ━ 一個人の履歴さえも ━ 存在しないのと同じなのである。
陳瞬臣氏の『中国の歴史』はそのような諸条件をそなえたもので、しかも“言い回し”で言いくるめるというずるい手をいっさい用いなかった。
残念ながらこの作物についてその内容にふさわしい書評がすくなかった。これは書評する側が反省せねばならない。
中国と日本の歴史に造詣の深い二人の作家が中国論、そして日本論を語る。
この対談で司馬氏は大陸で鉄器が慢性的に不足したことが大停頓をしたという指摘をしています。
21世紀の世界に当てはめれば、エネルギー不足が停頓の理由になる訳です。
今回の原発問題は大変な問題となる訳ですね。
さて司馬遼太郎氏は巻末の項に陳舜臣との間柄を次のように記しています。
陳瞬臣氏と私は、学校の同窓である。
〜中略〜
陳瞬臣氏は年少のころからの友人で、いわゆる爾汝の仲である。
司馬先生の書評の『中国の歴史』が入手できなかったので、コンパクト版と思える『中国五千年』を読む。
中国人の精神は「孔孟」と「老荘」の二本の紐で編み上げられている。
表面には「孔孟」があらわれるが、すぐその裏面に「老荘」がひそんでいる。(「老荘」=「黄老」、「孔孟」⇒「儒」)
時代背景と思想の生まれる理解が進む。
政権(王朝)の興亡の有様を明快平易な文体で教えてくれます。
元の時代の曾先之の著作『十八史略』をモデルにして書いている。
作家陳瞬臣は史実や人物を小説を書く姿勢で描いている。
原典と同じく南宋の滅亡で終わっています。
文庫本は全6巻です。
『小説十八史略』を読んで『中国五千年』を読むとかなり中国の歴史通になります。
オジサンは読む順を間違えたようだけど、頭の中の整理は進みました。
今回の福島原発問題は日本史上で初めての体験、いや人類史上で初めての体験です。
どう対処できるのだろうか。
温故知新
何か知恵がないのだろうか。
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