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小説・ルオムの森―6 

2017年09月11日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し






ルオムの森のマネージャーを務める月山良太は、発展途上のルオムの森に何とかして起爆剤となるようなものが欲しいと考えていたが、ホンヤミカコのオカリナ教室が開かれ、オカリナの音色を聞いているうちに一つのアイディアが浮かんできた。一方では森の中の環境を利用して樹上アドベンチャーの施設があり、100年の洋館を利用して物販と飲食の事業を展開しているが、8000坪の土地にはまだまだ広い森が開けている。この広い森をもっと利用する手立てはないかと常々考えていたのだった。考え付いたアイディアは、森の樹上にステージを作ることだった。音楽の演奏を樹上で行い、観客は一堂に集まるのではなく森全体に転々と着席できる場所を設ける、というものだった。このアイディアは、しばらく検討に時間がかかったが、採用され実施に移されることが決まった。
そしてここに呼ばれたのがForest Worksの名前で数々のツリーハウスを手がける稲垣豊とHidari―KiKi CREATIONという空間演出家集団を率いる小林響の二人だった。
稲垣豊はオートキャンプ場スウィートグラスの初期のころからその建設に携わり、数々の施設建設を手がけ、その後は自らをツリーハウスビルダーと名乗り関東一円ではその名を轟かせている。小林響は、竹や流木、そして廃棄された物たちに新たな息吹きを吹き込み、独特の色使いで原色の原風景を作り出し、数々の屋外フェスティバルやコンサートの空間を演出してきた。スウィートグラスを会場とするフィールアースというイベントで、あっと驚く空間を演出してその名は全国に知れわたっている。
 
稲垣は、あえて洋館から一番遠い場所を選んだ。そこは背景にこの地のシンボル浅間山がそびえている。森の木を利用して高さ5mの位置にステージが作られることになった。
森の木は伐採せず、それぞれの木を有効に利用するのが稲垣の真骨頂。何とも不思議な形のステージが出来上がった。そのステージの両サイドには、これも稲垣の得意とするキノコの形をした巨大なキャンドルが据えられた。演奏者がステージまで上がる階段は、近くの木々を回るようにしてできた変形螺旋階段でその手すりは芸術的なアイアインで作られている。小林響率いるHidari―KiKi CREATIONのメンバーの中から流木アーティストのケイスケはステージのまわりを流木で演出、キャンドルのマサは森全体を大量のキャンドルで飾りつけ、テントのマサはステージの上の屋根部分を担当した。小林響は彼独特の色使いで布を使った飾り付けを担当。客席の配置や全体のイメージを盛り上げる数々の装飾を施した。その結果、自然の森をそのままにした音楽演奏ステージは、世界に類を見ないものとなってその姿を現したのだった。
 
そして最初の演奏会は、ルオムの森でオカリナ教室を主宰しているホンヤミカコオカリナ教室の発表会を兼ねて、ホンヤミカコのオカリナ演奏を主にして行われることが決まったが、地元の別荘地の大学村に別荘をもつ人物の息子が小学生ながら天才的なヴァイオリンの演奏者だということがわかり、ゲストとして演奏してもらうことが決まった。
オカリナ門下生の中からは、嬬恋の妹森子と島崎しずか、そして後に加わった舟山まいこの3人が選ばれ、私と北沢せつこは観客席の人となった。
 
 

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