ウイールマン

手術後3か月  走れた、そして走った 

2017年07月10日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

バイクレースを始めてからもう10年近くに。

トレーニング中やレース中での落車は何回あっただろう。

バイクやヘルメットを破損するようなクラッシュに、幾度も巻き込まれた。

10台以上が同時にクラッシュした時、そしてカーボンフレームバイクが真っ二つになった時でさえも、幸運に大怪我はしなかった。

たとえ怪我をしても1、2週間ほどで回復した。

ましてや手術をしなければいけないような怪我は。

落車で大怪我をするのなら、
ある程度覚悟は出来ていたが。


あの日から3か月が過ぎようとしている。

体調を崩し走る事が出来ないフラストレーション。

ストレッチもしないで始めた筋肉トレーニング。

1分間で40回のハムストリング強化の為の
ジャンプ運動。

38回、あと2回で終了というところで突然聞こえた、
「バシッ」とバットで足を叩かれたような音。

そしてその1週間後の手術。

足の痛みや心の痛みで、まんじりともせず迎えた夜明けが、幾ほどあっただろうか。

年齢の事もあり、以前の様に走る事はもう出来ないかもしれない。

どうもがいても、あの脚力は戻ってはこないだろうし、
いくらトレーニングしても、以前の様な力はもう出ない。

後は全ての筋肉を強化して、弱った左足をカバーするしかないだろう。

何のためにそんなことをするのかはまだ良くわからないが、ただ精一杯力が続く限り、負けずに皆と一緒に走りたい。


医者からリハビリは週2回で6週間と言われていた。

ギブスをはめていた6週間と、ブーツをはいていた2週間の2か月余り。

リハビリは、ガチガチに固まってしまった左足の全ての関節と、筋肉を元に戻すことから始める。

リハビリを始めて歩き出した時に、
左の背中から大腿部やくるぶし、全ての関節が「ゴキゴキ」と、不気味な音を立てまともに歩けない。

トレーナーに捉まりながら、真っすぐ歩く練習から始める。

真っすぐ歩く事が、こんなに大変だとは思いもよらなかった

そしてリハビリも4週目を終え、少しづつ回復の兆しが見え始める。

脚は今だ硬く柔軟性がなく力は入らないが、少しだがジャンプも出来るようになった。




昨日はみっちりトレーナーからリハビリを受けた後、
これまでとは何かが違う。

足全体が軽くなり、柔軟性が。



少し早いかもしれないが、バイクに乗ってロードを走れるかもしれない。



いよいよ明日走ってみれるかもしれない。



朝いつもより早く起きる。

昨日は何となく興奮してよく寝れなかった。

蒸しタオルで足を温め、マッサージと硬くなった足のストレッチ。

最後に手術をしたアキレス腱にあまり力が入らないよう様、しっかりテーピングする。


車にバイクを乗せどこに行こうか。
何時ものトレーニングコースに車を走らせる。

このコースには今まで何百回通っただろう。
暫く見ていなかった見慣れたトレーニングコースに近づく。


感激のあまり、いつの間にか目がしらが熱くなる。
この3か月よく頑張った。
その頑張った分だけ涙が出てくる。

「やっとここまで来れたんだ。そしてやっとまた走れるようになったんだ」

この日の為に買ったブルーのチームジャージと
それに合わせた新品のブルーのヘルメットは似合うだろうか。

今日は誰もいないコースをたった一人で。

ひとこぎ、ふたこぎ。
ぎこちなく走りだす。
ゆっくり、ゆっくり。

そして急に心の底から叫び声が出始める。
「ワーオー  出来た、走れた」

急に家族やチームの仲間達、そしてブログで励ましてくれた人達の事が思い出された。

皆に励まされ、後押しされ、
ここまで来ることが出来たのだ。

嬉しかった。



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