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人間観察そして恋そして小説も
久しぶりの読書
2017年01月29日
テーマ:テーマ無し
久しぶりに芥川受賞作品を読んだ。コンビニ人間(村田沙耶香)まあ、短編だ(私にすればだが)(笑)一気に読んでしまった。感想はと言えば、複雑。面白い面白くない基準で最近読む本を選んでいたから久しぶりに芥川賞受賞作読んでみた感想は、やはり複雑。 昔読んで感じたあの黒い霧の中に腕を突っ込んでいるざらついた感触がよみがえって来た。そうそう、この感触・・・・思い出してしまった(笑) いわゆる、純文学と言われる作品だ。昔は、のめりこんでいたもんな私も。しかしこーーゆう本は売れない。悲しいくらいに。よく売れて五万部一万行けば御の字の世界だ。 昔から読むより書く方が好きだった。視点が、読み手から書き手に移ると、不思議と読者の顔が浮かぶ。イヤ、言い方が綺麗すぎる。読んでもらうためには(どんな書き方が喜ばれるか)そんな下卑た気持ちの網を通しての視点。いわゆる、読者にへつらうってやつだ。純文学では読者にへつらう姿勢は厳しく断罪される。商業主義は純文学においては堕落なのだ。いや断定はよくない。堕落らしい・・・ で、純文学を目指し小説家を目指す人は作家になれない。何故ならば、これはもう経済原則に準ずる。読者層が少ないからだ。読者が少なきゃ、売れない。売れなきゃ食えない。当たり前の話だ。 純文学は(退屈)だ。人間の内面をよく切れるナイフではぎおとし、その断面を鑑賞するから玄人芸に近い。あるいはマニアックな世界ともいう。 (普通)の世界で楽しさを求める普通の人達には受けない芸風なのだ。金にならない商売ともいえる。純文学作家で、作品のみで食えて行ける作家はまずいない。講演やら、諸々、副業をしないと食べていけない。そんな世界だ。その(普通)の世界じゃなしに、(普通)でない側に立った世界を描いたのが、このコンビニ人間だ。 私的には意味面白かった。普通でないことが、どれほど滑稽で、おかしなことか、この作品は物語っている。自由を求める人間が、実は普遍と言う束縛を好むことを作者は知っている。社会性とは普通である事を示し、束縛以外の何物でもない。社会性とは実は矛盾の世界なのだ。そのはざまで生きる、可笑しさ、滑稽さその隙間から垣間見える、生きるという事の真実面白くないはずがない。 自由を求める者は悩む。暗闇の中に手を突っ込みごそごそ動かし、自由の真実なるものをつかもうとするが結局つかめない当たり前だ、そこには何もないからだ。玉ねぎの皮をむくように、自由自由と唱えていても何もないのだから自由の真実は、果たして文学から求められるのだろうか否そもそも真実なるものが、何の真実なのかその対象すらつかめていないというのに・・・ ああ、思い出してしまった無限地獄の中を彷徨い歩いていたあの(快感の時を)自由なる真実追及の旅はある意味、超快感の世界なんですよ、皆さんはじき出された私がいうんですから 間違いありません しかしその世界は、無限地獄でもあるのです。 にほんブログ村 心理学 ブログランキングへ
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