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陽だまりのねごと

負けん気も良し悪し 

2011年02月19日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



姑の足はいよいよ危なく、手引きでないと一歩も歩けない。
杖もほとんど使わないまま、それも危なっかしく、今はもう歩行器かシルバーカーが必要。
いつもの買い物の車の乗り降りも一生懸命。
買い物カートにすがってならなんとか歩くが、空荷のカートは軽過ぎて不安定。

いつもの食料品の他に今日はおしろいを買うと言う。
姑の頭に描く形状の”おしろい”が今現在、ドラッグストアーには見つからない。
この人は昔からこうと決めたもの以外は受け付けない。
パフが付いていてはダメ。
粉だけでいい。
詰め替えるからというがいったいどのメーカーのどれ?
足がよろよろの姑にカートを持たせて店内を走って探したが、姑が思う物はナイ。

だぶんもう製造は中止されている可能性が高い。

姑の洗濯機は二槽式。
ここ数年ビニールカバーで覆われたまま使われた形跡がない。
たぶん壊れていると思う。
おそらく手で洗っているもよう。
30代40代くらいまで洗濯機の存在はなかったろうから、手洗いに慣れて過ごした経緯もあるのだろう。
テレビはちゃんと馴染みの電気屋が地デジを購入させている。
洗濯機は勧めないのかな?

ドラッグストアーで何か他に買うものがないか聞いたら、また洗濯石鹸。
この前、私が買ってきたのが『青い』と文句を言う。
言い方が癪に障る。

  「あなたの買っていたのは青くて色がつく」

人の世話にならなくてはにっちもさっちもいかない状態でまだコレ。

当節、白い洗濯石鹸の手洗いをしている人はまず居ない。
洗濯石鹸は部分洗い用で、洗浄力アップの青いのが売れているらしい。
また姑を待たせて店内をくまなく急いで探したが、昔ながらの白い洗濯石鹸はまた無かった。
洗浄力が強い『青』のしか見当たらなかった。
ちょっと前までは白があった。
どこか他店を探せば『白』があるかもしれないが、ちょっと足よろの姑を連れては無理。

一品、一品、姑のこだわりの品を探し歩くのは至難の業だ。
しかもこだわりが10年、20年単位前で止まっている。

配食サービスのカタログを私が業者へ取りに行き、同僚の担当ケアマネに紹介を頼んだら、
『お嫁さんに注文してもらって下さい』と、言って帰ってきたと報告を受けた。
あ然。
私の言うことは頭から聞かないと、念押しをしてカタログを持って行くのを頼んだのに、
これでは何の意味もない。
この人はホント、役に立たない。

買い物も大変になったから、今日は配食サービスをきっちり考えておいてもいいだろうと
そのカタログを探せど、あるべき所にない。
これならケアマネに要らぬ世話を頼まなければ良かった。
物もあれこれ置き場所が分からなくなっている
あんまり家探しをすると、『物がなくなった』と疑われるから
「まっいいか今日の所は食べる物を買ったから」
と配食カタログはあきらめた。

姑は理髪業をずっと営んで、店からしか世間を見ていない。
定休日の月曜日午前に決まった時間のバスに乗って、
決まった店で判で押したような一週間の買い物をし正午には帰って来る以外
ほとんど外出もして来なかった。

世間知らずで世俗に疎い部分もみられる。
そこのところを悪徳商法につけ込まれてしまったらしい。
負けん気が高い物を買えるという自負心を満足させてきたようでもある。
その負けん気から
人の言うことは聞けないで、さらに決めた事は変えられない性格だから、
まだソックス穿かずにストッキングで滑っている。
家の中の硝子障子に激突。幸いケガはなかったが硝子は割れたまま、段ボールで覆ってある。
内縁からタタキに落ちて太ももを打っている。
ここ一週間の出来事だ。

なんでもおんなじで安定してきた人の足元がグラついている。
認知症の症状が出ても無理はない。
手を貸そうとするとたちどころに昔のしっかりした自分に成ってしまいノーサンキュウ。
”出来る”と言い切る。
人から言われるとプライドがむっくり。これがなんとか今の生活を維持させているのだ。

一週間、一週間、姑の衰えが進んでいるのを感じる。
ひとり暮らし限界が見えてきている。はぁ〜




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