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夜明け前　

2016年09月11日
テーマ：テーマ無し

朝から雨。

ここのところ
朝４時頃に起き出しているのは
老化が進んでいるせいか。

一分一秒でも寝ていたい、と
それを揺り起す女と、
分かった分かったの繰り返しの果て、
まな板の音、みそ汁の香りの中で
起きぬけの一服を吸いながら、
キッチンの後ろ姿を見やる。

あれが、
人並みの幸せってやつかと
気づくのが遅過ぎた。

幾らでも朝寝が出来て
揺り起す者も居ないのに
夜明け前には目覚めてしまう、
人生は何と皮肉なものか。

明け烏の声を聞きながら
布団の上で胡坐をかき
咥え煙草で観自在菩薩の座禅を組むが
五分もしないうちに
オシッコタイムでは、
警策棒で滅多打ちされても
文句は言えないな。

雨の日曜日は
何処へも行かないから好き、なんて
女の甘えた声を思い出すが、
還暦過ぎても
みんなそうなんだろうか？

だとすれば
この人生、
やっぱ負け組じゃん。

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