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敏洋’s 昭和の恋物語り

[舟のない港] (五十五) 

2016年06月05日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



ミドリは、また男に身を寄せると、
「家を出ようかな‥‥」と、ポツリと呟いた。
ミドリが家を出るということは、男の元に来るということを意味しているのだ
ろう、男はそう思った。
“不味いことになる”と、男の気が重くなった。

失業したばかりということもあるが、男の心の整理がまだついていない。
責任はとらねばと、思いはするのだが。
その夜は、「泊まりたいわ」と言うミドリを何とか説得して、ミドリの友人宅に送った。
しかし、時間が遅すぎた為に灯りは消えていた。
ビジネスホテルに、と考えはしたものの、それではミドリを突き放すことになってしまう。
ミドリを失望させることになり、絶望感を与えかねない。
やむなく、男のアパートに戻った。

その日を境に、男は二つの重荷を背負った。
職探し、そしてミドリとの結婚。
“何としても、家出だけは思いとどまってくれ”と、祈る思いだった。
あの夜以来、ミドリは会社帰りに殆ど毎日、男のアパートに寄った。
男から受け取った合い鍵が、愛の証のようなものだった。

男にとっては、条件の合う就職先が見つからないこともあり、次第にミドリに対し疎ましささえ感じ始めた。
時に、ミドリに対して冷たい態度を取ることもあった。
あからさまに不機嫌な表情を見せ、これから出かけるから今夜は帰ってくれと告げたりもした。
そんな時、ミドリは悲しげな顔で家路についた。

意に添わぬ会社ではあったが、男は食品会社に就職した。
しかし、同族会社の特質に合わず、わずか一ヶ月で辞めてしまった。
また、職探しが始まった。
が、一流会社勤めを経験した男には、どうしても中小企業の体質が馴染めずにいた。

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