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北軽井沢 虹の街 爽やかな風
小説その22
2016年04月30日
テーマ:テーマ無し
そして、いよいよ問題の冬がやってきた。標高1160mの浅間山北麓厳寒の地。
氷点下20になることもあるという場所だ。11月になると管理事務所の担当者がやってきて、水道管凍結防止のテンパールをオンにするように伝えに来た。
この辺りの建物はほとんど高床式になっている。つまり一階部分が地上から1m以上上がっていて、床下に水道管が配管されている。もしも水道管破裂の事故があっても修理がすぐできるように考えてあるのだ。床下に配管された水道管は保温材で保護されているが、保温材の下には凍結防止帯電熱線が巻いてありスイッチが入ると、水道管は絶えず温められているため凍結しないのだ。普通水道管は地下に埋設されるが、凍結深度というのがあって、その地方により凍結深度が違う。例えば北海道なら60〜100センチ、長野県小諸市で60センチ、軽井沢では80センチ、東京は20センチとなっている。爽太の住む場所が、仮に凍結深度90センチならば、水道管を埋設するのに90センチ以上掘り下げなければならない。
そして何かあるたびにその深さまで掘り起こさないと水道管が出てこないということになる。高床にしなければならない理由がわかるはずだ。それゆえ水道管が長ければ長いほどこの凍結防止帯電熱線が多く必要になり、冬になると電気代が跳ね上がるのである。
高床になっていると床下の風通しがよく、夏は一段と涼しくなるが、冬は逆に風通しがいいために水道管がよく冷えるということが考えられる。そのことに気がついて爽太は2年目からは、床下開口部を冬になるとビニールシートで塞いで床下が少しでも冷えないようにと工夫したのだった。
ある日、外の気温が氷点下15℃になった。水道管は異常なかったがお湯が出なくなった。
昼間に気温が上がるとお湯は出るようになったが原因がわからない。そして今度は風呂と洗濯機の排水管が凍って排水ができなくなった。ちぎれるような寒さの中、爽太は床下に入り原因を探す。風呂の排水は髪の毛などが詰まることもあるし、洗濯機の排水の場合も長年使用している間には何かが詰まることもあるに違いない。何かが詰まってそこで水がたまればその水は凍ってしまう。しばらくは風呂は使用できず、洗濯もできなかった。コインランドリーへ行って洗濯するというまったく予期せぬ出来事が起こった。水道管が凍結するという経験は移住生活を始める前にも何度かあったが、排水管が凍るということはなかった。
まったくの初体験でこればかりはもう本職の知恵を借りるほかはなかった。
爽太は、前のオーナーが残しておいてくれたメモから、近くの水道工事業者を探し当て連絡することにした。ここで話が少し横道にそれるが、この水道屋の若い二代目経営者が、嬬恋村の有名なスピードスケートの選手で、オリンピックにも出場したことがある人だと後に分かった。その時、嬬恋村は有名なスピードスケートの選手が多いことを知ったのだった。
爽太は、排水管を取り換えたり、彼が改善したほうがいいと助言してくれたことをやってもらいこの件は落着したが、この地での冬の寒さと、冬の生活が困難だということをはっきりと知った経験だった。薪割りの挑戦や暖炉の火つけに苦労しながら、今度は寒さの洗礼を受け、まだ始まったばかりの冬に、爽太は少なからず嫌な予感がしたのだった。
しかし、ここで生活するには何と言っても長い冬を乗り切らなければならない。このことが最も大事で重要だということは明らかだった。
そして、このとき千恵子も不安でいっぱいになっていた。
一週間後、良く晴れていた天気は午後から急変し、あっという間に暗くなり雪が降り始めた。
爽太は、降る雪を見て思わず「きれいだ」と思った。森の中に降る雪は大粒で爽太がはじめてみるものだった。しかし、美しいとかきれいとか言っている場合ではない。二人はこれから先、どれだけ降るかわからない雪を見ながら再び不安になるのだった。
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