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北軽井沢 虹の街 爽やかな風

小説その19 

2016年04月08日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


さわやかオーナーズコンサートの後、クイーンランド・オーナーズ会に入会した二人は、8月のオーナーズ会に初めて出席した。
オーナーズ会は、クイーンランドに別荘を所有している人、またそこに定住している人たちの集まりで、およそ500の家族が参加している。その年はちょうど会長が交代した時で、爽太は新会長のもとでオーナーズ会現地委員を務めることになった。委員を募集していたので爽太はためらわず手を上げたのだった。
そして副会長・浅山啓太の計らいでオーナーズ会のホームページに爽太のブログがリンクされ、爽太のブログはますますアクセスが増えていった。
ある日、爽太の家に突然やってきた浅山啓太から、ここでの生活をはじめたことについて、二人に文章を書いてほしいという依頼を受けた。
千恵子は「花が好き 緑が好き そして 自然が大好き」、爽太は「第三の人生スタート」のタイトルでそれぞれ文章を提出した。それは、写真家・浅山啓太の撮影した素敵な写真がついてオーナーズ会のホームページに紹介され、二人の知名度上昇に大きく貢献したのだった。
 
 
花が好き 緑が好き そして 自然が大好き
 
お婆ちゃんになったら目にやさしい景色の中で、静かに穏やかに自分らしい心地よい空間で暮らすことが夢でした。
常々、夢は見るものではなく実現させるものと考えていましたが、私の探し求めていた、目にやさしい理想の景色がクイーンランドでした。
6月に移住してきた当時は、春夏の草花がいっせいに咲き始め、様々な小鳥たちが競うように美しい声で鳴いていたり、ウオーキングで同じ道を歩いても昨日と違う花が咲いていたり、毎日が感動の連続でした。
梅雨の晴れ間、太陽が緑に反射してとてもまぶしく、まったく新鮮な驚きです。
7月8月は、新緑から緑が濃くなるにつれ、木の葉がまるで自然のパラソルのようになり、小さな雨なら濡れないという経験もいたしました。
9月、早い秋の訪れです。7、8月にはあまり吹かなかった風を感じるようになり、木々たちは厳しい冬に備えて葉を色づかせ、はらはらと落としていく姿に生きていく厳しさを感じています。
定住して3ヶ月ですが、もうずいぶん以前から住んでいたかのような、とても心地よい場所となりました。
そしてまた、とても素敵な方々との出会いも実現し、とてもうれしく心から幸せをかみしめています。
これから、美しい紅葉の後は、初めての冬を迎えることになりますが、この夏の涼しさをいただけるのですから、厳しい冬に耐えることはその代償として当然のことと考えています。
これまでと違った四季を感じることができ、新しい人達との出会い、小鳥たちや草花たちとのコミュニケーションを楽しみながら、時間がゆっくりと流れていく日々を楽しく過ごしていきたいと思っています。
 
第三の人生スタート
 
今年65歳になるのを契機に、長い間住み慣れた福岡を離れ、北軽井沢へと移り住むことにしました。
終の棲家はクイーンランドスズランの街。全くの別世界です。
結婚するまでを第一の人生、結婚後を第二の人生とすれば、65歳からは第三の人生です。
人は長い間暮らしてきた生活に終止符を打ち、全く別の人生を歩むことが可能でしょうか。
第二の人生であった40年間、ただがむしゃらに突き進んできましたが、妻は静かについてきてくれました。そして、北軽井沢で生活することを提案してくれたのでした。
日本には素晴らしい四季があります。当たり前のことですが、残念ながらその四季を感じることができていなかった自分を目覚めさせてくれた妻は、長い間の「仕事人間」を自然の中で再生させてくれようとしています。
6月、僕はこんなに美しい緑を見たことがありません。
「緑がまぶしい」と感じました。
僕は、こんなにたくさんの小鳥たちのさえずりを聞いたことがありません。
「これには、どんな音楽もかなわない」と思いました。
僕は、こんなに美味しい空気を知りませんでした。
空気を本当に美味しいと感じました。
過去の生活をよき思い出としながら、今度は僕が妻についていく生活が始まっています。
ここにはたくさんの木々や季節の草花があります。妻は、その時々の草花をいろいろな形で演出してみせてくれます。家の中も外も廻りも二人で楽しむ空間にしていく喜びは、何物にも代え難く、少しずつ再生されていく自分を感じています。
とても素敵な方たちとの出会いも次々と実現しています。
そして、この大自然の中にいれば、病気とは無縁のような気さえしてきます。
神奈川県に住む二人の子供と家族たちも、やさしく見守ってくれています。
65歳以上のお年寄りの新人となった今、最後まで自立できる「万年青年」を目指して積極的に活動していきたいと考えています。
微笑みと笑顔を絶やさず、スズランの街から爽やかな風をお届けします。
 
以来、二人は少しずつオーナーズ会のメンバーと交流を深めることとなった。そして、ここまでは大きなトラブルもなく、徐々にこの土地になじんでいったが、爽太は別荘を所有してひと夏をそこで過ごすというような人たちと今まで出会ったこともなかった。しかし、学生時代からそういう人たちと交際があった千恵子のおかげで、なんとなくわかったような態度で過ごしながら、知り得なかったさまざまな出来事も無難にこなせたのだった。
 
 

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