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輝かしき才能　

2015年10月31日
テーマ：音楽

先週まで開催されていた、ショパン国際コンクール出場者の演奏を、ユーチューブで聴いた。


第一位優勝は、チョ・ソンジン。


韓国出身の21歳である。


15歳の時に、浜松国際コンクールで優勝して、それ以来、日本でも知る人ぞ知る存在ではあるらしい。


最近は、若い人たちの動静について詳しくないので、私は初めて、彼の弾くショパンのピアノ協奏曲第一番を聴いた。


本選会での、ライブ演奏である。まあ、アーカイブだけど・・。


まずその、一音一音の輝いた響きと、揺るぎのない安定性に、引き込まれた。



この名曲は、自分でも学生時代に弾いているし、今までの人生で、どの位聴いただろう。


知り尽くしているはずの曲なのに、改めて聴くとたちまち感動にとらわれてしまうこの魅力は、ショパンの偉大さなのか、あるいはチョ・ソンジンの描く新鮮さなのか。


彼の技術は一点の乱れもなく、どんなに至難な場所でもその音色に曇る隙を与えない。


指の使い方に無理がなく、淡々と弾いているように見えて、ショパン独特の美しい旋律が、歌う様にして伝わってくる。


そして、その演奏とは、5年に一度開催される、国際コンクールの檜舞台で、21歳の青年が弾いているものなのだ。



昨日は、自分の人生を振り返って、バッハとの長いかかわりを呑気に綴ったりしていたけれど、今日は68歳にして味わった挫折感。


この青年の演奏は、凡人がどんなに努力したところで、到達しえない偉大さである。


しかも、ユーチューブで検索してみると、他のコンクールでも、17歳で入賞した演奏や、昨年20歳で入賞した演奏等がぞろぞろと出てきて、これが天賦の才というものだと、証明してくれる。


そして今、21歳。


又、恐るべき才能の出現だ。

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