メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

独りディナー

富士山のほとりでサプライズ 

2015年10月18日 ナビトモブログ記事
テーマ:思い出すままに

北海道に住んでいた、子供の頃。

友達が、なぞなぞを出題した。

「北海道で、富士山を見ました。さあ、答えはなんでしょう?」

「夢を見た」一人が答える。
「蝦夷富士(羊蹄山)を見た」もう一人が答える。
「わかんない、早く答え教えて!」これが、私。

「答えは・・。嘘をついた」

その位に、富士山は憧れであった。


当地に転居してから5年間は、東京での仕事を続けていたので、毎週新幹線で富士山の横を走り抜けた。

でも、富士山はとてもシャイで、中々その姿を見せようとしない。

だからこそ、姿が見えた時は、心の中で思わず「おーっ」と叫んでしまう。

そして、携帯を取り出して、誰かに伝えたくなったものだ。

よく、ウィーンの友人に、「今、富士山を眺めながらこれを書いています」などと、自慢風にメールを送ったりもした。


芦ノ湖畔にある山のホテルは、娘が務めていた会社に関係しているとかで、研修で泊まった時の印象がよほど良かったらしく、「二人で泊まってきて」と私たち両親へプレゼントしてくれたことがある。


その日は幸運にも、雲一つない富士山の全容を、一日中見ることができた。

車で移動している間中、様々な方向から富士山だけを眺めているのに、光線の関係で刻々と変化していき、全く飽きるということが無い。


老後は、富士山の麓に住んでみたい、と思ったこともあるが、誰かが「富士山も、毎日見れば飽きるよ」と言っていたっけ。

そんなものかも知れないけど・・。


ホテルでは、娘のお蔭なのか色々サービスがあって、芦ノ湖上をモーターボートで案内してくれたり、箱根美術館でシャガールの絵を見たりもした。

秋だったと思うが、ラウンジの暖炉には、既に火が入っていた。

時間がまだ早かったのか、其処には他の泊り客の姿は見あたらず、しばらくグラスを片手に火を眺めていると、主人が黙って立ち上がった。

振り返ってみると、スタッフと話していた主人が、その広いラウンジに置かれたグランドピアノの前に座ったのだ。

そして、シューマンの「トロイメライ」が聴こえてきた。


これこそ本当の「サプライズ」ではないだろうか・・。



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

シニアには、思い出は沢山ありますから

シシーマニアさん

うきふねさん、こんばんは。

コメントありがとうございました。
幸せそうに見えますか・・?

実を言えば、たった一人の家族が楽器は弾きますが大変無口な人で、この生活のままでは言葉を忘れてしまうのではないかと心配になり、ブログを始めたのです。
まあ、不幸ではないですが、単調な生活なので追憶にふけっているのです。

因みに、今まで「日の名残り」のDVDを見ていました。ちょっと、余韻に浸っています・・。

2015/10/19 22:56:13

憧れますね、富士山

うきふねさん

富士山をたっぷりとご覧になれましたか。
芦ノ湖畔にある山のホテルでのご夫婦は
ステキですね〜♪
とてもドラマティックでウットリするほど。
シシーさんはお幸せですね(^.^)

2015/10/19 16:37:17

アップルパイ

シシーマニアさん

喜美さん、コメントありがとうございました。

ギターとピアノを趣味でちょっと・・。
最近は、ライブなんかもやっています・・。

山のホテルは、つつじ有名ですよね。
まだ春には行った事がありませんが、先日読んだ水村美苗さんの小説「母の遺産」にも出てきていました。
湖畔にあるティールームの、アップルパイが忘れられません。

2015/10/19 14:52:10

山のホテル

喜美さん

あらご主人さんもピアノ弾からるの
良いわね 我が家は娘は少し習っていて息子も習わせましたら復習もせず行きますので先生が励ますつもりで
誰さんは君より遅く入ったのに
抜かされるよと言ったらしいのそしたらすぐやめてしまいました

山のホテル春つつじのころ又お出かけください 見事です

2015/10/19 07:33:57

只驚いただけです

シシーマニアさん

パトラッシュ師匠、

ちょっと、内輪受けの内容でした・・。
おめでたい妻から見た夫像です。

2015/10/18 21:34:59

それぞれ、別々です

シシーマニアさん

Reiさん、こんばんは。

コメントありがとうございました。
高校の頃は、バンドを組んで歌っていたらしいのです。でもまさか、クラシックにまで突入してくるとは思っていませんでした。

最近はライブを計画したりするので、私はもっぱらお相手してくださる奇特な方々を集める役目です。

2015/10/18 21:26:40

団塊の世代の、バンドおやじですね

シシーマニアさん

彩さん、コメントありがとうございます。

文字どり、驚きましたよ。
家ではともかく外で、主人がピアノを弾くのを「見た」のは、初めてだったので・・。
でもどうやら、味をしめたらしい様で、それからは機会があると歌ったり弾いたり、好き勝手やっています。

2015/10/18 21:14:44

にくいねえ、やることが

パトラッシュさん

音楽家というのは、こういうことが出来るのです。
さりげなく。
これを“にくい”と言わずして、何と申しましょう。

さぞ、女にもてるだろうなと、もてない男は、
そいつを張り倒してやりたくなるくらいに、
うらやましいものです。
生まれ変われるものなら、今度こそ、
音譜くらい読める人生を、送りたいものです。

2015/10/18 19:38:30

素敵ですね

Reiさん

富士山を眺めながらグラスを傾けて、ピアノの演奏を聴く・・・
ため息が出るほど素敵です。

その時シシーさんは演奏なさらなかったのでしょうか。

2015/10/18 18:23:20

憎いなぁ〜(笑)

彩々さん

富士は日本一というくらい立派なのに
堂々と顔を表すことが少ないですよね。
だから、みんなの羨望の的になったのでしょうが、
シシーさんも全景を見ることが出来て…
それだけで運が上がる感じしません!?

誰が何と言おうが、神々しいですものね。

シシーさんご夫婦は、何処に行かれても絵になる
ご夫婦でしょう。
暖炉の炎を見ながらご主人が弾かれる「トロイメライ」
ですか!?
目に浮かぶよう〜!

2015/10/18 16:57:45

PR





上部へ