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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜(十四) 夢の中に現れるものさ 

2015年07月03日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



?そうか、帰ったんだ。やれやれだ、実際。これで静かになるな?

彼の正直な思いだった。と同時に、勉学に身を入れなければと考えた。
この所の諸問題で、まったく講義に身が入らずにいる彼だった。
教授達のお経にも似た弁舌に、眠気を誘われてしまっていた。
といって寝不足ではない。
睡眠時間はたっぷりと取っていた。
唯、毎夜の如くに夢に悩まされていた。

真理子の夢であり、早苗の夢であり、母親の夢だった。
しかしそれ程までに見る夢の中に、一度として牧子は現れなかった。
何て、薄情者だ! と己を責める彼だったが、いつも決まって逃げ口上を思いついてしまう。

― 相手が気にしてくれているからこそ、夢の中に現れるものさ”
― 牧子さんが、悪いんだ。それとも、信用されてるのか。
そうだ、そうなんだ。
浮気なんてしないと思ってくれているんだ。だから、なんだ”

木枯らしの吹く季節になった時、思いもかけぬ手紙が舞い込んだ。
力強さの中に、女性らしさのにじむ書体だった。
麗子からの手紙だった。

胸騒ぎを覚えつつ、文面に目を通した。
麗子と別れた直後に、彼が出した手紙への返信のつもりらしい。

それにしても、あれからどれ程の月日が経ったことか。
どんな文面の手紙だったのか、彼の記憶から消えている程だ。
泣き言・繰り言を延々と書き綴ったような気がしていた。

或る意味、彼にとっての初恋=実体を伴った初めての恋だった。
麗子の気まぐれに振り回されはしたが、初めてのデートだったのだ。
女性と連れだって町中を歩くことなど、彼には母親の他には考えられなかった。

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