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流老記

静かに…できない。 

2015年05月20日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

朝のうち曇りで
蒸し暑い一日。

かつての同業仲間で
今ではリタイアしているデザイナーと
カメラマンを交え、三人で会う。

我々と同年齢の彼は
ずいぶんと早いうちに結婚し
孫娘が中学3年生になるという。

10年前に
埼玉で3世代同居の家を建てたらしい。

我々根無しと比べれば
絵に描いたように
幸せな老後を送っている勝ち組か、と
思いきや、
出るわ出るわグチの数々。

きょう会おう、と連絡して来たわけは
今朝、
孫娘がまつ毛をカールする
何ちゃらという器具で
ヒゲの手入れをしていたら
孫娘に見つかって
半狂乱で泣き叫ばれ、
母親である娘にも罵倒され、
居たたまれず出て来たが
行く所もなく電話した、とのこと。

オレが
どれだけ家族のために働いて来たか、とか
貯金やら何やら全てをはたいて
今の家を建てたか、とかの貢献度合いを
次々に話した挙句、
それなのに晩酌は発泡酒ひと缶だけ、とか
風呂は
孫娘が一番先にペットと一緒に入り、
オレは終わりの方で犬以下だ、とか
まあグチることひとしきり。

カメラマンの奴は
うれしそうに相槌を打ちながら
フンフンそれで、とか
そりゃないよなあ、とかで
相手を木に登らせていく。

それで
デザイナーが最後に言ったのは、
お前たちはいいよなあ、自由気ままで、だと。

上から目線で
羨ましいなんて言われるのが、
一番気に触ることだと、
分かってないんだなあ。

カメラマンもカチンと来たらしく
よし、オレが嫁さんに説教してやる、と
言いだした。

彼は慌てて制止にかかるが
言い訳や弁解をするほどに燃え上がり
携帯を取り出してピッポッパッ…

爺ィたちの醜い携帯の取り合いに
見かねた
喫茶店のマスターが一喝。

お客さんたち、
世間の常識の中で
イヤというほど過ごして来たんでしょ、
老後は静かに過ごしたらどうです。

それを合図に
静かに座った我々だが…

俺たちは
世間の非常識の中で
イヤというほど過ごして来たんだ、と
小さく呟き
互いの顔を見回す。


台風が
小笠原を通過したらしい。



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意外や意外。

根無草さん

世間の老夫婦は
誰もが同じ寝床で
手をつないで寝ているものだとばかり
思っていましたよ。

寝返りを打つときは
どうするんだろう?なんて
余計な心配だったんですね。

長年連れ添っても
そんなもんですか、ふ〜ん。
♪また君に恋してる〜、なんて
歌の文句だけかあ。

また誰かに恋してる〜、が
我ら根無しの特権かと思っていました。

2015/05/21 18:59:15

自由

ハナコおばさんさん

根無草さんの記事を読んでいると、自然に顔がにやけて、そのうち笑っている自分に気が付きます。
(*^▽^*)
男性も家庭の愚痴、言うんですねぇ。
自由って贅沢なことだと思うけど、お互い、ないものねだりなのかしらね。
ちなみに、ウチもばばたまさんと同じ、別々の部屋で寝ています。

2015/05/21 16:38:55

人生謳歌

阿Qさん

非常識人や創作人にとって、「自由」は命以上のものだと思いますよ。
反対に、常識人や無能人は、束縛の権化である「家庭」に逃げ込まざるを得ない。

ばばたまさんに同意!
まだまだ、半自由人ですな〜・・・

2015/05/21 11:42:43

何故か今夜は

さん

起きていたんです。
お蔭でこんな夜遅く声を立てて笑うなんて・・・
夫が2階から降りていたらしく何事かと覗かれました。
はい、そうです我々は別々の部屋で寝ています。絶対一人が幸せかもよ〜。

2015/05/20 23:09:50

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