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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十三) 単純明快な生き様 

2015年05月17日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



短い文面だった。
耀子らしいと言えば、これ程如実に性格を現していることはない。
サッパリとした性格で、即断即決をモットーとしていた。
善悪二元論を唱えて、単純明快な生き様をしている耀子だった。

?何だろう、今頃。大会出場の件は、話がついてるのに。まさか、出場しろなんて?
訝しく思いつつも、電話ボックスから緊急連絡用にと教えられた番号に電話をかけてみた。

「は〜い。ただいま、留守にしています。メッセージを残してね。カラ電は、だめよ。耀子、泣いちゃうからね」
明るい声でメッセージが流れてきた。

「あっ、ミタライです。葉書を読みました。えーっと、とりあえず連絡しました。よろしくです」
メッセージを入れて電話を切ろうとすると、慌てた声が耳に入った。
「ミタちゃん? 耀子です。ねえ、これからすぐ来られない?」

「えっ? えっ?」
留守だと思いこんでいた彼は、しどろもどろになってしまった。

「あっ、ごめんね。いつも留守電にしてるの。いたずら電話が結構入るからさ。で、どう? 来られる?」
「いゃ、それが。これから、家庭教師のバイトでして。ちょっと無理なんですが」

「そう。う〜ん、そうかあ‥‥。そのバイトは、何時まで? その後、来れないかなあ。遅くても、構わないからさ」
「はあ。九時迄なんです。ですから、十時位になっちゃいますが。どんな事なんですか。電話では、だめですか?」

「十時ね? いいわ、待ってる。私は、大丈夫だから。じゃ、待ってるから」
有無を言わせぬ、半ば命令調の耀子だった。
彼の返事も聞かずに、電話が切られてしまった。

気もそぞろな彼だった。
「先生。この公式って‥‥」
「先生。この計算式は‥‥」
何度となく、とんちんかんな受け答えになってしまった。

二時間の時間が、やけに長く感じられた彼だった。
「簡単な物ですけど、食べていってくださいな」
「申し訳ありません、急用が入りまして」
と言う彼に、それじゃ簡単にと、おにぎりが用意された。

「それじゃ。また、来週に」
「先生。成果を教えてくれよ」
にたつきながら、母親の怪訝そうな顔を楽しむ息子だった。
苦笑いをしつつ「おにぎり、ありがとうございます」と、後にした。

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