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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十二) 着いたぞ、 

2015年04月29日 外部ブログ記事
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「着いたぞ、由香里ちゃん」
彼の声に起こされた由香里は、思わず歓声を上げた。
余りの声に、バス車内のあちこちから、どっと笑い声が起きた。
顔を真っ赤にしながら、由香里は逃げるように外に出た。

絶叫マシンが苦手な彼だったが、由香里の強い希望に負けた。
渋々乗り込んだものの、終始、目を閉じていた。
そんな彼を尻目に、由香里は"キャア、キャア!"と、大声をあげる。
彼の腕にしっかりとしがみつき、そのスリルを楽しんだ。
あれ程に服を濡らすことを嫌った由香里だったが、轟音と共に水しぶきを上げるウォーターライダーでは、頭にかぶっていたビニールのフードを外して大はしゃぎした。

アトラクションの待ち時間では、彼はあちこち駆けずることになった。
ポップコーン・ジュース・ホットドッグ、そしてアイスクリームと、「別腹よ」という由香里の声に、振り回された。
「世話の焼ける娘だ!」と、口にしつつも不快感はなかった。
むしろ、心地よかった。
彼にとっては、これ程までに笑い興じるデートの経験はなかった。
これまでのデートでは相手にリードされるばかりで、静かなムードを楽しむことが多かった。
彼にとっては、新鮮味溢れるデートだった。

暮れ始める園内でイルミネーションが灯り始めると、幻想的な雰囲気が漂い始めて由香里の望む世界が現れ始めた。
日が暮れた頃、二人は大観覧車の中に居た。
地上五十メートルにも及ぶそれは、一周時間が11分間の二人だけの世界だ。
はしゃぎ疲れたせいか、車内では無口な由香里になった。
「どうしたの、疲れた?」
俯きかげんの由香里に、彼は覗き込むようにした。
「うん、少し、ね」

確かに疲れを感じる由香里だったが、それだけではなかった。
由香里の気持ちの中に、逡巡するものがあった。
?このまま終わるのいやだ。子供だ、と思われたままでなんか?
突然、由香里がワンピースを脱ぎ始めた。
地上からは、高い位置にある。今なら、他人に見られる心配はない。
「おい、おい、由香里ちゃん」
何が起きるのか、理解できずに彼は慌てた。しかし、ワンピースの下からは水着が現れた。

「勘違いしたでしょ。タケシさんの、エッチ!」
「突然脱ぎ出すから、ビックリしたよ。どうしたの、でも」
安堵の表情を見せながら、彼は由香里の真意を図りかねていた。
「だってえ。折角の水着だもん。見て欲しかったの。どう、セクシーでしょ」
立ち上がった由香里は、腰に手を当ててポーズを取った。
痩せ型の由香里だったが、高校生らしく少し太めの足だった。

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