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断捨離も、不公平? 

2015年03月20日 ナビトモブログ記事
テーマ:シニアライフ

パトラッシュ師匠が、使いこなして年季の入った、ご自分の広辞苑の写真をアップしていらした。

それを見て、昔を思い出したのだが・・。


亡き父は若い頃、同人雑誌で小説などを書いていたらしい。

結果的には、縁のない職業についたのだけれど、芥川賞の発表時だけは、何となく気になるらしく、よく「文芸春秋」を買いに行かされた。

普段も、新聞など読んでいたり、会話の中で気になる言葉が出てくると、「ちょっと、辞書を持ってきてくれ」と、こうなる。

そして、受け取った辞書を開きながら嬉しそうに、皆に読んで聞かせては、「こういうことは、横着になっちゃいけないんだ」というのが口癖だった。

「え?」と、そのたびに私は思った。

「自分で取りに行かない、というのは横着じゃないの?」


かくして私は、広辞苑と英和辞典だけは、いつも手元に置くことにした。

自ら辞書を調べる楽しみを、満喫できる様に・・。

今から思えば、私の辞書好きは、反面教師の賜物だったのかもしれない。


その後の海外生活でも、広辞苑は必須アイテムだったから、我が辞書たちは年季の入り易い環境だったのだろう。


酷使した結果、いわゆる「ドッグイヤー」となった辞書達を、どんどん交代させるのに、私は余り躊躇も無かった。

もともと、雑な性格なので、本も楽譜もめくりが乱暴なのか、お気に入りのものの殆どが「ドッグイヤー」になってしまうのだ・・。


紙が外れて、バラバラになりかけていた広辞苑が、そろそろ再起不能かな、と思い始めた30代の後半。

遠視だった私はその頃から、せっかく開いた辞書の文字がよく見えない、という経験が重なって、書店で活字の大きな広辞苑を見つけた時には、即座に購入した。

只、本そのもののサイズが大きいから重さも半端じゃなく、それからは使用頻度は減ったかもしれない。


50代になって、旅行することが多くなり、英和・和英・英英等と一緒に広辞苑も内蔵されている、電子辞書が私の愛用品となった。

紙の本の質感や、ページ全体が見渡せる楽しみは失せたけれど、年齢を重ねるとどうしても体力温存に、傾いてしまう。

まあ、大型の広辞苑時代に比べて、使用頻度は、はるかに上がったと思う。


只、断捨離派の私も、古くなった楽譜は、中々捨てられない。

特にベートーヴェンのソナタアルバムと、ショパンの練習曲集は、殆ど人生を共に歩んできた相棒である。

学生時代に、先生が書き込んでくれた文字や、自分で書きこんだ指使いや、ペダルの記号。

自分の演奏を録音して聴き返しながら、書き込んだメモの数々。


それらは、今更参考になる訳でもない、単なるノスタルジアに過ぎないのだけれど、自分にとっては古いアルバム的な存在なのだろう・・。


「ボロボロ楽譜の写真をアップ」というリクエストを、パトラッシュ師匠がして下さったのだけれど・・。


生憎、普段から写真撮影に縁の無い生活をしておりますので、せっかくのご要望ですが、お応えできかねる失礼をお許し下さい。



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久しぶりに、父を思い出しました

シシーマニアさん

師匠、コメントありがとうございます。

父の影響は、結構受けているなと思います。本好きは確実にそうです。
何かを究める事に魅かれる性格も、そうです。そして、その厳しい世界であることも、教えて貰いました。
自分と分野は異なりますが、そこで折り合いをつけて愉しむことも受け継いだかな・・。
こんな風に、楽しく書く場所が父の時代にもあったなら、結構はまっていたかもしれません。

2015/03/21 11:18:37

ノスタルジアですが

シシーマニアさん

Reiさん、おはようございます。

コメントありがとうございました。
ものを捨てるのは、ある意味新しい出発の様相もあって、私は嫌いではありません。
只ノスタルジアが絡むと、難しいですよね。
Reiさんも、最初の作品はとってありますか・・。

2015/03/21 11:09:32

DNA

パトラッシュさん

やはりそうでしたか・・・
ただ者とは思えない、シシーマニアさんの文は、お父様の血を、
承けていらっしゃったからなのですね。

文学の才能は、音楽や美術と同じ程度に、遺伝子の影響を受ける・・・
というのが、私の持論です。
私の場合は、文学以外は、からきしですが、シシーマニアさんの場合は、
幸いにも、二つのジャンルにおいて、ご先祖様の才能を、
よく受け継がれたようです。

ぼろぼろの楽譜は、なんとなく想像が出来ます。
実物と、私の想像が、そんなに違わないだろうことを、確かめたくて、
リクエストした次第です。

2015/03/20 20:21:54

物によって

Reiさん

捨てられる物とそうでない物がありますね。

私も古い楽譜はとってあります。
パッチワークで初めて作った作品も…
ほとんど自己満足の世界ですが、私にとっては宝物です。

それから、師匠は「宿題」と言って無理難題を言われることがあります。
でも、気になさらないでください。
私のように、ちっとも言うことを聞かない弟子!?もいますから(^_^;)

2015/03/20 18:38:18

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