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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十) 残念といった表情の割には 

2015年02月22日 外部ブログ記事
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「だめでした、振られちゃいました」
彼は、努めて明るく答えた。まさか、”キス以上の行為を許してくれないから、別れた”とは、口が裂けても言えなかった。

「あらあら、そうなの」
牧子の如何にも残念といった表情の割には、明るい声だった。
牧子には、彼に対する恋愛感情はなかった。
単なる暇つぶしといえば、言い過ぎかもしれないが。

しかし、彼女のいる男とのデートは、やはり気が進まないものだった
。実際のところ、ためらいの気持ちがあったのも事実だった。
昨夜、今日のデートのことを考えた時に、すっぽかそうかと思いもした。
しかし、現在の自分を変えるきっかけになりはしないか、と考えたりもした。

中田との関係を、いつまでも続ける訳にはいかない。
いつかは精算しなければ、と思い始めてはいた。
確かに中田とのセックスは相性が良く、別れを考えると気が狂いそうになる。

中田が初めての男性である牧子であり、中田以外は知らない牧子でもあった。
ある意味、管理人の言う”身持ちの堅い女性”だった。
牧子が好きになった男性が、たまたま既婚だったということだった。

二人の取り留めもない話は、気が付くと一時間以上続いた。
さすがに苛つきを隠せない彼だったが、といって”もう、そろそろ”と、声をかけるのも憚られた。
煩雑に柱時計に目をやる彼に気が付いた牧子が、
「あらあ、もうこんな時間? おばさん、ごめんね。また、ゆっくり来るわ。
ボクちゃんが退屈してるから、今日はこの辺でえ」
と、立ち上がった。

話し足りなそうな管理人だったが、
「そうだねえ。長いこと引き留めて、ごめんねえ」
と、腰を上げた。
「御手洗さん、ごめんなさいね。じゃ、楽しんでらっしゃいな」
「はい、ありがとうございます。行って来ます」

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