メニュー

第７２回　昭和３５年秋　クラスメイトと山登り（１）　

2014年09月29日 外部ブログ記事
テーマ：テーマ無し


中学３年の運動会が終ると中間テストなので、女子が集まり勉強をすることに。
その結果、みんなはテストの点が１学期より上がった。
「よく頑張ったから、遊びに行こう。」と話し合い、休日に大島山に登る約束をした。
当日は、大島山のふもとまでバスに乗り、下車し、賑やかにお喋りしながら登る。
誰かが秋の花や紅葉の葉を見つけて、「あそこを見てー。」と、声をあげ喜んだ。
高い青空の頂上に着いて、眼下を見下ろすと、遠くに切戸川の流れが見える。
河口近くに、小さなマッチ箱の我家としずちゃんの家を見つけ、みんなで楽しく地図の勉強だ。
お弁当を食べ、歌ったりバレーボールでパスをしたり、愉快に過ごす。
頂上で会ったじゅんちゃんの隣の家の２年の男子にも、おやつを分けた。
「じゅんちゃんが、『山登りするんよ。』と言うたから、俺も登りとうなったんで、登ってきたんじゃ。」と彼は言う。
下り始めてしばらくして、、私は、少し先を下山しているしずちゃんのお母さんとお兄さんを見つけた。
「しずが心配だから、付き添って登ろうかな。」と昨夕、お兄さん達が話していた。
「大丈夫！絶対付き添って来んでね。」と、しずちゃんはきっぱり言っていた。
やはり心配だから、見えないようにして付いてきたのだと、私には分かった。
私以外のクラスメイトは、おかあさんとお兄さんの顔を知らないし、見えないので気がつかない。
私達は、又バスに乗って、「本当に楽しくてよかったわ。次のテストの後も遊びに行こうね。」と約束した。
自家用車のお母さんとお兄さんを見つけたしずちゃんは、「心配で、迎えに来ているけど、私はバスで帰るわ。」と笑いながら手を振って言っている。
終点の駅で下車し、みんなと別れて、しずちゃんと私はにこにこ写真館に寄った。
しずちゃんはお兄さんのカメラを借りて持ってきていた。
私のカメラは、この夏、カメラの当たる懸賞に応募したが当たらなかったが、割引優待券が届いたので、２．０００円で買ったものだ。
しずちゃんが、運動会の写真を焼き増した時、「中心をこちらにした方が良いな。」
「これは、逆光でないし、良い写真だ。」など、アドバイスをしてくれたので、気に入った写真屋さんだ。
写真を受け取った次の日、教室でワイワイ言いながら、皆と写真を見ていた。
きよちゃんが、担任に呼ばれて行き、しょんぼりして帰って来た。
「届出せず、みんなで山登りをしただろう。しかも男子と一緒にだ。校則違反だから内申書に素行不良と書くぞ。」と担任に言われたそうだ。
「公立高校にすべったらどうしよう。私は私立には行かせてもらえんの。」と、今にも泣き出しそうだ。
運動会のムカデ競争の次に楽しい思い出の後に、なんということだ！
私は、まず校則の書いてある生徒手帳のページをめくった。

>>元の記事・続きはこちら（外部のサイトに移動します）




<< 前の記事へ　／　次の記事へ >>
記事一覧を見る

この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR







掲載されている画像

    もっと見る

上部へ